1年の商売繁盛願う 水産、青果市場で初競り【函館】
函館市水産物地方卸売市場(豊川町)と市青果物地方卸売市場(西桔梗町)で5日早朝、新年恒例の初競りがあった。新型コロナウイルス禍が明け、4年ぶりに両市場でセレモニーを実施。場内には競り人の威勢のいい声が飛び交い、今年1年の商売繁盛を願った。
〇…水産市場は約200人が集まり、午前7時から「初売り式」を開いた。大泉潤市長が「基幹産業の水産業はイカやサケの不漁が続き、猛暑でコンブの水揚げに影響が出るなど取り巻く環境は厳しく、大きく様変わりしている。気候変動に伴う海洋環境の変化に向き合い、つくり育てる漁業の推進や水産物の消費拡大に努める」と力を込めた。函館魚市場の松山康史郎社長が水揚げ回復を願った。
同社によると、水産市場での2023年取扱量と金額はともに前年を下回り、22年に好漁だった秋サケが前年比7割減となったことが主な要因。生鮮スルメイカは高単価で推移したが、数量が少なくカバーし切れなかった。昨年はブリやニシン、サバ、イワシなど青魚の水揚げが良かったという。
佐藤商店の佐藤止昭会長は「新年早々、震災はあったが、今年は良い年になると期待したい。スルメイカの水揚げが回復してほしい」と話した。
この日の入荷量は約55トンと豊漁で、タラやタコ、ババガレイ、ニシン、ホッケなどが次々と取引された。
○…青果市場は、午前6時40分から約100人が集まり「初競り式」を開催。函館巴太鼓振興会の迫力ある和太鼓の演舞でオープニングに花を添えた。
田畑浩文副市長が「コロナが5類移行後、函館観光の回復を実感できる。今後も青果市場は、生鮮食料品を安定供給する基幹インフラとして維持と向上に努め、道南産をPRするイベントや、市場と市民の懸け橋となる取り組みを検討する」とあいさつした。
丸果函館合同青果の勝木敏孝社長は、能登半島地震や航空機事故で亡くなった人の冥福を祈り「資材やエネルギー燃料の高騰対策を講じ、市場の発展を願う」と強調。東一函館青果の木戸浦静男社長の掛け声で三本締めを行い、市の鹿礒純志農林水産部次長が競りの開始を宣言した。
この日は、タマネギやハクサイ、トマト、ミカン、リンゴなど約77トンを取引した。
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