さまざまな作品が並ぶ木彫り展

鞍馬天狗、一休さん…

　室蘭市港北町の遠山昌喜さん（６８）の「小さな木彫り展」が２３日まで、中島町のＦＫホールディングスきらん２階の市民活動センターで開かれている。大小約４０点の作品が訪れた市民らの目を楽しませている。

　昨年暮れ、マツやカツラなどの端材を使い木彫り制作を始めたという遠山さん。きっかけは、知床観光船沈没事故や交通事故で命を落とす子どもたちのニュースだった。「小さなことでも、何かできることはないか」と供養のための地蔵を彫った。釈迦や僧侶などを彫る中、「作品を見ることで『何か』を感じてほしい」と個展の開催を決めた。

　会場には、鞍馬天狗（くらまてんぐ）や一休さんなど、「昭和の記憶」「日本書紀」「日本昔話」をモチーフにした１５センチほどの作品が並ぶ。なでるとご利益があるといわれる七福神の「布袋尊」像の一角では、「健康に」「金運を」などと連日多くの人が足を運んでいる。

　初めての個展に遠山さんは「小さい子たちにも見てもらいたい」と笑顔を見せ、「来年は着色するなど、グレードアップした作品を並べるつもり」と意欲を見せている。