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日高報知新聞

アイヌ文化を発信 地下歩行空間で工芸品の展示【平取】

会場を訪れアイヌ伝統工芸に見入る客たち

【平取】札幌駅前通地下歩行空間「北3交差点広場(西)」で1、2日の2日間、平取町二風谷の「アイヌ工芸〜伝統の継承と新たなカタチ〜」が開かれた。アイヌ文化を新しいカタチで表現した商品開発に取り組み「二風谷アイヌクラフトプロジェクト」に今年度も新たなアイテムが加わった。同事業はアイヌ政策推進交付金事業の一環で実施。

 アイヌ伝統工芸家の貝澤守さんと貝澤美雪さん・関根真紀さん、若手工芸家の川奈野利也さん、西山涼さん、平村太幹さんら関係者の9人が参加した。1日は400人、2日は600人が来場した。

 事業は〝暮らしにとけ込むアイヌデザイン〟を発信する「二風谷アイヌクラフト」プロジェクトが、昨年度に引き続き創業107年の鋳物メーカー「能作」とのコラボレーションで生まれた錫製のテーブルウェアシリーズ第2弾を発表。

 同プロジェクトは、脈々と受け継がれてきた伝統文化や工芸技術を守りながらも、日常づかいできる商品開発として二風谷の伝統工芸を未来へつなぐことを目的に、2020年10月に始まった。世界的デザイナー・コシノジュンコさんを総合デザインディレクターに、二風谷の工芸家とデザイナー、メーカーとのマッチングで、現代の暮らしにとけ込む新たなアイヌ工芸を発信している。

 今回は、コラボ商品の披露のほか、伝統的工芸品の「二風谷イタ」を貝澤守さんが、「二風谷アットゥシ」を貝澤美雪さんが実演。また、関根真紀さんが購入した商品に「アイヌ文様」をドローイング(線画)するライブパフォーマンス、若手3人の工芸家による「木彫りのワークショップ」が行われた。

 来場者は「表面的なアイヌ工芸しかわからなかったが、現代にマッチした日常使いの作品に出会えて新鮮でうれしい」「実際に体験してみると難しく、価値が良くわかった」「ただ見るよりも説明してくれると良くわかった」などそれぞれ話した。

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