新イオン着工、27年度に 旧市場跡地、当初計画より3年遅れ【室蘭】
建設需要高まり業者見つからず
イオン北海道(札幌)が室蘭市日の出町の旧室蘭市公設地方卸売市場跡地に移転を予定していた新室蘭店の建設着工が、当初計画より3年ほど遅れ、2027年度になることが5日分かった。同社や市によると、資材の高騰に加え、札幌再開発やラピダス(東京)の千歳市進出で建設需要が高まり、工事業者が見つからないことなどが要因だという。
この日、市議会一般質問の南川達彦議員(市政結和)への答弁で、市側が明らかにした。
南川議員は2024年度以降に移転新築するとの認識を示し「具体的な新店舗の話が出ていない。いつ着工する予定なのか」と質問。安田智樹経済部長は、イオン北海道の話として、新幹線延伸の札幌再開発や次世代半導体製造を目指すラピダスなど建設需要が高まっているため「3年後の27年度着工をめどに後ろ倒しする旨を伺っている」と答えた。
安田経済部長は市場跡地の賃貸料について、「賃貸借契約は着工時に締結する予定」と説明した。南川議員は土地賃借料収入が得られないことにより市場事業会計への影響を指摘。安田経済部長は資金不足が生じる影響もあるとし「基本合意書における契約方法の再調整を図るなどの検討が必要」との考えを示した。
同社は取材に対し、ゼネコン選定が行えず「建設業者が見つからなかった」とした。また、当初計画ではモール型の店舗予定だったが「現状のプラン見直しも含めて検討している」と述べた。
同社はこれまで、1981年に開店した室蘭店(東町)の老朽化を背景に移転を模索。旧市場跡地では約7万5千平方メートルと土地が広く、多様な展開が可能なことから移転方針を決めていた。
新室蘭店は、モール型ショッピングセンターで2階建て述べ床面積約4万1千平方メートル、店舗面積約2万6千平方メートルとの計画だった。駐車場は平面と屋上で計1800台を確保し、700人の雇用創出効果が見込まれていた。
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