北海道ニュースリンクは北海道の参加新聞社がニュース・イベントを配信するサイトです

日高報知新聞

アイヌ文化や技術継承へ 日本茅葺き文化協会 平取で茅刈り実習の報告会【平取】

安藤教授の茅についての説明に耳を傾ける研修生たち

【平取】研修生11人が参加して11月13日~17日まで平取町内で行われた日本茅葺き文化協会の2023年度茅採取文化財保存技術(伝承)研修・茅刈り実習の報告会が11月17日、イオル文化交流センターで開かれ、研修生ほか町アイヌ文化振興公社職員など22人が参加した。

 文化庁の事業で技能・技術の伝承を育成するため委託を受けている日本茅葺き文化協会(安藤邦廣代表理事・茨城県つくば市)が主催。

 研修は第1回目として8月28日~9月7日の11日間、アイヌ民族の伝統的家屋「チセ」が立ち並ぶ町内二風谷の「二風谷コタン」で、町内のチセ造り職人・尾崎剛さん(69)ら地元の担い手8人が指導者となり、チセのカヤを葺き替える改修作業を通してアイヌ文化を継承していく大切さを伝えた。今回は第2回目として、茅刈り研修が行われた。

 13日は、同文化協会の安藤邦廣代表理事(筑波大学名誉教授)から茅と茅場・茅葺きの歴史、地域性と、当真要さん(北海道大学教授)から茅の生態を学び、14日は、アイヌ文化博物館の廣岡絵美学芸員と町アイヌ施策推進課の吉原秀喜学芸員ら関係者4人の座学で知識を深めた。

 15日~17日は、本町水辺空間や鵡川河川敷などで茅刈り実習。茅という草はなく、屋根をふく草の総称で、「ススキ」「ヨシ」などイネ科の多年草。ヨシを刈る時、雑草も交じっており尾崎さんから「北海道ではそれが普通」など助言をもらいながら作業に取り組んだ。今回のヨシはコタンのチセづくりに使用する。

 17日は雨天のため作業ができず、チセでトマ編体験を行った後、午後から「茅刈り報告会」を実施。報告会では参加者全員が体験した感想を述べた。現在は熊本県の「阿蘇茅葺工房」に勤めて8年目の茅刈り職人である立石佑樹さん(札幌市出身)は、「材料を採るだけではなく、草を刈り使うことで草原は再生する。循環していく大切さを感じ仕事に取り組んでいる」と話した。

 尾崎さんは「改修の場がないと実践的な技術を身につけられない。継承のため定期的に改修できる束の太さに調整している」と話し、「交流することによって相乗効果も生まれてくる。文化を残してくれるような職人が育ってくれたらうれしい」と話した。

関連記事

苫小牧民報

青年神職会「御田植祭」 豊作願い田植え 厚真

胆振青年神職会と日高青年神職会は16日、厚真町桜丘の森田明央さん(57)が所有する水田で「御田植祭」を行った。若手神職ら9人が参加し、田んぼの一部約600平方メートルで、丈約10センチの苗を手作業...

苫小牧民報

エンゼル・ピノキオ幼稚園でプール開き 苫小牧

苫小牧市しらかば町のエンゼル幼稚園(坂本安正園長)と日新町のピノキオ苫小牧幼稚園(坂本ひろみ園長)は16日、エンゼル幼稚園敷地内の屋内温水プールのプール開きを行った。園児約60人が歓声を上げ、水遊...

十勝毎日新聞

町内の生物データブック作成 ひがし大雪自然館10年記念で【上士幌】

 上士幌町のひがし大雪自然館(ぬかびら源泉郷48)が、町内の植物・菌類・脊椎動物類1906種類の分類を示した「上士幌町生物多様性データブック2023」(上巻)を初めて作成した。「レッドリスト」に掲...

十勝毎日新聞

がんリスク検査特価で 7種一括で調べ NCカード会員向け【帯広】

 信販会社地場大手・NCカード(帯広市、所紀夫社長)は、カード会員向けに、次世代型がんリスク検査「マイシグナル・スキャン」を特価で販売するサービスを始めた。  同検査は、名古屋大学発ベンチャ...

十勝毎日新聞

直木賞河﨑さん来月サイン会 ザ本屋さんで「愚か者の石」発売記念【帯広】

 十勝在住の直木賞作家、河﨑秋子さんのサイン会が6月15日午後2時、帯広市内のザ・本屋さん白樺コロニー店(ダイイチ白樺店内)で行われる。ザ・本屋さん(帯広市、高橋智信社長)主催。新刊「愚か者の石」...

CATEGORY記事カテゴリー

MEDIA参加新聞社

ARCHIVE月別記事リスト

RANKINGアクセスランキング

  • 週間アクセス
  • 月間アクセス