作刀や操業の安全祈願 日鋼M&E室蘭・瑞泉鍛刀所「吹子祭り」【室蘭】
日本製鋼所M&E室蘭製作所・瑞泉鍛刀所の「吹子祭り」が16日、室蘭市茶津町の同鍛刀所であった。5代目当主の佐々木胤成刀匠ら関係者が、刀を作る道具や火の神に感謝し、刀作りや操業の安全を願った。
火をおこすための風を送り込む鞴(ふいご)など、刀作りの道具や火の神に感謝をささげる同鍛刀所設立から106回目を数える伝統儀式。同社の武谷健吾代表取締役社長ら役員約10人が出席し、神事で社の発展や安全操業などを祈った。
佐々木刀匠は今年の鍛刀所の見学者が244組、1952人だったとし「昨年の約2倍、コロナ禍前の3分の2の水準まで回復した」と報告。また、将来の後継者のため、基礎研究や刀の解析結果を活用した太刀や短刀の製作を目標とした1年間の活動だったと振り返った。「一定の成果や改善があった。これからも日本刀の製作技術や技能の向上に努めていく」と力を込めた。
また、刀鍛冶を志す若者が当社の採用内定となったと喜びを語った上で「来年の入社後、さまざまな部門で研修することにはなるが、早く一緒に仕事ができることを今から楽しみにしている」と強調した。
武谷社長は室蘭の歴史が表れているとし「伝統を引き継いでこれからまた先の100年に向けてしっかりやらなくてはならないと改めて感じる祭りとなった」と述べた。
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