稚ウニ93万粒放流 市水産研、赤潮被害対策2年目【根室】
【根室】市水産研究所(工藤良二所長)は市栽培漁業研究センターで種苗生産した、エゾバフンウニの稚ウニ約93万粒の放流を行った。2021年の赤潮被害を受け、ウニ資源回復を目指して昨年から実施しているもので今年が2年目。16日は落石漁協分と根室漁協分の約65万粒の放流が行われた。
種苗生産は5月に親ウニから採苗し幼生飼育を開始。6月に5㌧角形水槽で70万粒の生産計画で稚ウニ約115万粒の飼育を開始。初期餌料にアワビモ、アオサ、成長に応じて生コンブを与えるなど飼育を行い、最終的に計画、前年実績(約70万粒)を上回る約93万粒を生産した。
生産された稚ウニは5㍉以上の規格種苗が45万粒、5㍉以下が48万粒で規格種苗は昨年の14万粒の3倍、平均殻長は約10㍉と前年を上回り、大きいもので23㍉ほどあった。昨年は初期餌料のアワビモの成長があまり良くなかったが、今年は十分量を確保でき、高水温も乗り切って大きいウニが生産できたという。
稚ウニは赤潮被害割合により、落石漁協60%の56万粒、歯舞漁協30%の28万粒、根室漁協10%の9万粒をそれぞれ配布。15日には歯舞漁協分の放流が行われ、この日は落石漁協分と根室漁協分を実施。このうち、落石漁協分の放流では漁協の職員、漁業者、市職員、潜水士らが漁船で落石漁港から出港。潜水士がユルリ、モユルリ島周辺の海底に稚ウニを放った。市水産研究所の越智雄大主任(35)は「市内4漁協が運営する市ウニ種苗生産センターの10分の1に満たない量だが、資源を底上げするという意味で、少しでも放流することが大事だと思っている」と話していた。
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