外部講師増で授業充実 地学協働、初年度から成果【音更】
学校を核とした地域づくりを目指して文部科学省が推進している「地域学校協働活動」(地学協働)の音更町の取り組みが今年度から本格化し、初年度から目覚ましい成果を挙げて道教委など関係者の注目を集めている。
![](https://hokkaido-nl.jp/cawm-content/uploads/2023/11/202311131414220_l.jpg)
農水省職員を招いた食品ロスの授業(9月、緑陽台小)
町は2022年度までに、町内の全16小中学校に設立した、学校が地域住民らと目標やビジョンを共有し、地域一帯となって子どもたちを育む「コミュニティスクール」(学校運営協議会制度)と一体となって地学協働を進めている。
町教委は22年度に試行的に六つのモデル校(駒場小、西中音更小、東士幌小、駒場中、木野東小、鈴蘭小)を認定し、模擬選挙や消費者教育講座などを、将来の社会参画を見据えたシチズンシップ教育(市民教育)の一環で実施した。
町教委教育部(当時)に生涯学習課地学連携担当課長ポストを新設し、外部講師となる町内外の人材や団体の登録を推し進め、ふるさと教育学、人権・主権、金融・財政、講演会等の分野別にリストを作成した。
その上で、町教委が窓口となって学校と外部講師との橋渡し役を務めた。今年度はこれまでの教育部を学校教育部と生涯学習部に分割し、さらに地学協働活動を推進する体制を整えた。
登録する外部講師は10月末時点で95個人・団体を数える。町教委の福地隆教育長は「町が成熟していることが地学協働がうまく機能している要因の一つ」と説明し、さらに「子どもたちにとっては教科書だけでは得られない専門性の高い授業を受けることができるメリットがある」と話している。
今年度から本格化した地学連携は10日現在、全小中学校で250回を超える授業が行われた。5月に音更小で帯広署音更交番の警察官を講師に招いた防犯教室、6月に木野東小の児童を対象としたよつば乳業十勝主管工場の見学、9月に緑陽台小で農林水産省道農政事務所帯広地域拠点地方参事官室の職員による食品ロスを考える授業、10月に駒場中で町消費生活センターの専門相談員による消費生活学習、11月に共栄中でJAおとふけの職員を講師に招いたバイオガスプラントなどについて学ぶ授業が行われた。
![](https://hokkaido-nl.jp/cawm-content/uploads/2023/11/202311131414480_l.jpg)
JAおとふけの職員を招いて行われた地学連携による授業(6日、共栄中)
町教委に外部講師として登録する町消費生活センターの専門相談員大渕泰子さん(59)は、22年4月から民法の成年年齢が20歳から18歳に引き下げられたことを受け、「子どもの頃から契約について教える必要があると感じていたところだった」と、地学協働に積極的に協力した。
共栄中の角田裕司教頭(46)は「町教委にリクエストするだけで講師をコーディネートしてくれるので教員の負担が軽減された」と話す。
町教委は、外部講師の新規登録を推進し、地学協働の学習メニューを増やす方針。十勝教育局教育支援課は、音更町の取り組みについて「十勝では群を抜いて成果を挙げており、注目している」とし、さらなる充実に期待を寄せている。
<地域学校協働活動(地学協働)>
2015年12月の中央教育審議会で、「新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について」の答申に盛り込まれた。答申に基づき、文科省は地域と学校が連携・協働して、地域全体で未来を担う子どもたちの成長を支え、地域を創生する地学連携を推進している。
関連記事
段ボールベッド組み立てる 日工道専が防災キャンプ 登別
登別市の日本工学院北海道専門学校(福井誠校長)公務員学科(2年制)は23日、防災キャンプを校内で開き、18~19歳の1年生11人が市職員の指導で段ボールベッドの組み立て、片付けなどを体験した。 ...
あすまで多彩なイベント 苫小牧アートフェス開幕
市民参加型の芸術祭、苫小牧アートフェスティバル2024(実行委員会主催)が27日、苫小牧市末広町の出光カルチャーパーク(市文化公園)をメイン会場に始まった。 美術博物館祭、音楽祭TOMAK...
「がんばれワカナ」 パリ五輪出場・永原選手 グッズ配り応援準備万全【芽室】
パリ五輪のバドミントン女子ダブルス日本代表で、芽室町出身の永原和可那選手(28)の初戦を前日に控えた26日、町は試合観戦を盛り上げてもらおうと、町内でグッズを配布した。町内の小中学生や町民が折っ...
“おとな”も保育園留学 地方の子育て学ぶ【上士幌】
上士幌町は今年度から、50歳前後で子育てを終えた“プレシニア世代”を対象に、保育園で働きながら学ぶ「おとなの保育園留学」を道内で初めて開始した。移住や関係人口の増加、人材確保につなげたい考え。町は...
クラシックカーで優しいラリー 堺正章さんも参加【帯広】
戦前の世界的名ドライバーをしのびつつ、北海道の大自然の中を博物館入りレベルのクラシックカーでのんびり走るラリーの第2日が27日、帯広発着で行われた。タレント堺正章さん(77)らが最も古い車で1...
CATEGORY記事カテゴリー
MEDIA参加新聞社
ARCHIVE月別記事リスト
RANKINGアクセスランキング
- 週間アクセス
- 月間アクセス
-
1
ハグロトンボ、北斗市内で捕獲 道内初確認、既に定着か【北斗】
220日、歩行者天国 浜町通りまつり「HAMASAI」【浦河】
3護衛艦「いせ」十勝港に 22日まで一般公開【広尾】
4「楽しんでもらえる場に」 イベントホール21日オープン、ライブでこけら落とし【室蘭】
5樽前SAにローソン 道内高速道路では初出店 苫小牧
-
1
ハグロトンボ、北斗市内で捕獲 道内初確認、既に定着か【北斗】
2苫小牧キラキラ公園にキッチンカー集結 29・30日、来月6・7日
3グルメや大抽選会 13、14日にのぼりべつ夏祭り×ブランドまるしぇ【登別】
4座礁フェリー室蘭港に 現地調査完了、造船所で仮修理【室蘭】
5ベスト4超え甲子園目指す 浦河高校野球部 10年ぶり南北海道大会へ挑む【浦河】