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網走タイムズ

「五七五」の世界を探求 磯江良三さんに網走市文化賞 「身に余る光栄」と謝辞

今年度網走市文化賞を受賞した磯江さん

 【網走】今年度の網走市文化賞に、網走十七美会会長の幾江良三さん(88)=雅号・波響=が芸術部門で選ばれた。このほど網走セントラルホテルで贈呈式が行われ、水谷市長が磯江さんに文化賞と副賞のブロンズ像を贈った。

 式の中で水谷市長は「俳句で地域の芸術文化振興に果たした功績は広く認められている」と、磯江さんの活動、経歴をたたえた上で、さらなる活躍に期待する言葉を述べた。

 来賓の佐藤道議、立崎聡一副議長も、それぞれ「網走の地域文化創造に、一層の力添えを」「文化賞の受賞を契機に、今後も子どもたちがすくすくと成長するところを見守ってほしい」と激励した。

 これを受け、磯江さんは「身に余る光栄」と謙そんしつつ、流氷が沖に去り、春の訪れを告げる「海明け」の言葉が季語となったことを引き合いに「網走の文化が活気づいていくことを期待したい」と、謝辞を述べた。

 式の後は祝賀会となり、出席した人たちはみな磯江さんの下に集まり、その功績をたたえていた。

 磯江さんは1935年、常呂町生まれ。南ケ丘高、日大法学部を卒業後、60年に常呂町社会教育主事、64年に当時の網走女子高、その後の網走高で社会科と英語科の教べんを取った。

 86年には同校の教頭、92年には校長となり、地域の高等教育、青少年育成に力を入れた。

 俳句の道に足を踏み入れたのは62年。当時の常呂蛙声会に入会、68年からは網走十七美会に入会し、長きにわたって「五七五」の世界を探求。多くの俳人の手本となる作品を作り続けた。

 98年には、市立図書館が主催する「子ども俳句大会」の開催に関わり、俳句を通じた青少年の健全育成、情操教育に尽くした。これまでに文芸北見賞、道社会福祉功労賞、厚労大臣社会貢献賞などを受賞している。

 これまで一貫して俳句道の修行に努め、自らの作品を磨き上げるのみならず、所属する網走十七美会の仲間、また全国の俳句を親しむ仲間の作品充実、向上発展の指導に献身的に努めていること、さらに真面目で温厚な人柄、親切丁寧な指導から老若男女を問わず磯江さんを師と仰ぐ者が多いことなどが認められた。

 同賞は学術や芸術、教育、社会事業など市の文化発展に貢献した個人、団体に贈られる。  市の開基100年を記念して1972年に制定された。

 これまでに42個人7団体が受賞しているが、20年度以降は該当者なしが続いており、磯江さんは5年ぶりの受賞者になる。

 磯江さんに贈られた賞状は、網走市書道連盟の菊地照風さんが筆書きしたもので、磯江さんの作品の中でもお気に入りという「海明けや 海の漢の 血が騒ぐ」の句が添えられている。

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