根室は伝来の地 11月1日は「紅茶の日」
【根室】きょう11月1日は「紅茶の日」。伊勢白子(現三重県鈴鹿市)の船頭大黒屋光太夫がロシアで紅茶を口にしたとされることから設けられた記念日。1792年、その光太夫がロシア最初の遣日使節アダム・ラクスマンと共に帰国した地が根室港。越冬のため根室の仮設小屋で過ごす絵にもラクスマンや光太夫と茶器が描かれており、日本の紅茶伝来の地は「根室」といえそうだ。
光太夫ら17人を乗せた船が伊勢から江戸に向かったのは1783年。途中嵐に遭遇、長期間漂流しロシアへたどり着いた。ラクスマンの父親の尽力でロシアでエカテリーナⅡ世に謁(えっ)見(けん)、帰国が許された。根室に着くまで実に10年の歳月を要している。
謁見の際の茶席で紅茶を飲んだのが光太夫。日本紅茶協会はこの話に基づき、1983年に11月1日を「紅茶の日」と定めた。光太夫のふるさと三重県鈴鹿市では、この日に合わせて郷土の偉人の功績を学んでもらおうと、市立幼稚園や小中学校で紅茶を使った給食を提供している。
約10年ぶりに帰国した光太夫らは、ラクスマンらと共に越冬のため8カ月間、弁天島正面の今の本町周辺と思われる場所に仮設小屋を建てて過ごした。その仮設小屋での様子を描いた絵が天理図書館(奈良県天理市)に所蔵されている。
複製を展示している根室市歴史と自然の資料館の絵にも、ワインボトルと紅茶器のようなものが描かれており、根室で紅茶を飲んでいたであろう様子がうかがえる。ラクスマンの父親キリル・ラクスマンと光太夫が共同製作した日本地図の複製を根室市に寄贈した早川昭彦さんも、「日本で最初に紅茶が飲まれたのは根室港」とアピールしている。
ラクスマン一行は、この時紅茶だけでなくスケート、サウナ(蒸し風呂)も根室の地でお披露目をしており、「紅茶」「アイススケート」「サウナ」伝来の地としてアピールできそうだ。
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