青蘭航路きょう船出、津軽海峡フェリー 午後8時、青森へ第1便【室蘭】
室蘭港と青森港を結ぶ津軽海峡フェリー(函館市、村上玉樹代表取締役社長)のフェリー航路が2日に就航する。第1便は午後8時に室蘭港を出航する。15年ぶりの青蘭フェリー就航。トラック業界の残業規制が強化される2024年問題。運転時間の短縮や休息時間の観点などから物流業界の新しい選択肢としての期待がかかる。
就航船はブルーマーメイド(8820トン)。全長約144メートル。積載能力はトラック71台または乗用車230台。旅客定員は約580人。
室蘭地区トラック協会によると、北海道から青森県に渡る場合、苫小牧市-青森県八戸市で運航するフェリーはあるが、トラックでいっぱいになり、函館市まで車で南下するドライバーも多いという。
同協会の鈴木勝会長は青蘭航路復活に触れ、苫小牧で乗船できなかったり、函館まで向かっていた事業者にとって「(青蘭航路が)一つの選択肢となることを期待している」と歓迎する。また「関係人口や交流人口の上でも素晴らしいこと」と話した。
室蘭のフェリー航路は、東日本フェリーが1967年に開設した室蘭-青森が始まり。2008年に廃止となった。近年では川崎近海汽船(東京)が2018年6月に岩手県宮古市を結ぶ宮蘭航路として開設。室蘭港にとり10年ぶりの定期航路復活だった。
しかし、三陸沿岸道に絡む物流や観光需要を見込んだが、集荷に苦戦。宮古航路は20年3月で休止。同年4月から青森県八戸市を結ぶ室八航路に替えて改善を図ったが、収益の柱となる貨物トラックの利用が当初見込みを大幅に下回った。同社は22年、原油高騰やコロナ禍による旅客需要減少を理由に休止方針を発表した。
青蘭航路は所要時間が約7時間で1日1往復の運航。運休は日曜の室蘭発と月曜の青森発。2024年4月からのトラック運転手の時間外労働への規制が厳しくなるため、まとまった休憩時間を取れる利点がある。
津軽海峡フェリー室蘭支店の藤田英和支店長は「航路定着に向けて全社を挙げてPRしていきたい」と強調。「皆さんに利用してもらえる魅力ある航路にしていきたい」と意気込む。
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