涛沸湖畔で野鳥を観察する児童

　【網走】東京農業大学稲花小の５年生が、11日から14日まで３泊４日の日程で網走を訪れ、宿泊学習を行った。滞在中、同大のオホーツクキャンパスや臨海研修センター、濤沸湖水鳥・湿地センターなどで体験学習に取り組み、網走でしかできない体験で、知識や学びを深めた。

　一行は男子35人、女子36人の計71人。夏秋啓子校長や担任教諭ら５人が引率で同行した。

　「オホーツク学」と名付けられた宿泊学習は11日、羽田から女満別を経て網走入り。同キャンパスで入校式の後、オホーツク流氷館を見学した。

　12―13日は５年生が４つのグループに分かれ、それぞれ同大生物産業学部の４学科をローテーションで回り、各学科の特色を生かした学習に取り組んだ。

　北方圏農学科の学習は、同キャンパスの家畜舎で、エミューやシカ、ウマなどと触れ合いながら観察。周りに生えた草をむしって与えるとおいしそうに食べ、児童は「食べた、食べた」「かわいい」と喜んでいた。

　この後、学内でエミューの羽根を使った手工芸に挑戦した。

　作ったのは、北アメリカ大陸北部の少数民族オジブワの伝統的な魔除け「ドリームキャッチャー」。輪に糸を張ってクモの巣に見立て、悪夢を防ぐように願ったもので、輪から吊される羽根にエミューを使った。

　ここで、児童は初めてエミューの羽根を手に持った。講師から「エミューの羽根は、寒さに耐えられるようふわふわです」と聞いた児童は「ほんとだ」「柔らかくて気持ちいい」などと、実際に手に持って感触を確かめていた。

　自然資源経営学科の学習は、濤沸湖水鳥・湿地センターで野鳥観察とペーパークラフトづくりを体験した。

　同センターから双眼鏡を借りた児童は、涛沸湖畔でさっそく野鳥を観察した。

　この日は、対岸の浅瀬でたくさんのアオサギがくつろいでおり、児童も双眼鏡で眺めていたが、センター職員が「向こうの森の木の枝にもたくさん留まっているよ」と教えると、それまで気づいていなかった児童が一斉に向きを変え、双眼鏡で森を凝視。「え、あれもアオサギなんだ」と驚いていた。

　児童の中には、網走周辺でよく見られるハクセキレイの説明を聞くと「東京はハクセキレイじゃなくてキセキレイがいるよ」と教えてくれる〝野鳥博士〟もおり、オホーツクの生態系も知る機会になったようだ。。

　このほかにもカモやカモメ、シギなど数種類の野鳥を観察。児童がセンター内に戻ろうとしたところで、沖の浅瀬にオジロワシが登場。帰り際に姿を見せてくれるというサービスに、児童から「大きい」「かっこいい」と歓声が上がっていた。

　このほか海洋水産学科、食香粧化学科の学習と、２日間で同キャンパスの特色である４学科すべてを体験。14日午後、女満別空港から帰路に就いた。