気象庁は１日、全国の８月と夏（６～８月）の天候状況をまとめた。８月の北日本は気温が高く、渡島・桧山地方の月平均気温は函館市美原２６・５度（平年２２・１度）、江差町２６・７度（同２２・６度）など計１６地点で過去最高となった（気象庁速報値含む）。夏の平均気温も函館市美原２２・８度（同１９・５度）、江差町２２・７度（１９・９度）は過去最高となった。

　８月は北日本を中心に暖かい空気に覆われやすく、台風６・７号の影響で南から暖かい空気が流れやすく気温が上がった。下旬になっても高温傾向が続き、渡島・桧山で日最高気温の１位を更新したのは１０地点（８月）で、このうち函館市川汲、森町、江差町の３地点は３１日の観測だった。

　初の猛暑日（最高気温３５度以上）も記録。１０日は函館市美原で３５・２度、厚沢部町鶉で３５・０度に達した。また、最高気温の低い方でも極値更新が多く、函館市美原は４日に初めて２５度を上回る２５・７度となり、２５日の２６・１度など計６回を数え、夜に寝苦しい日が続いた要素なった。ほか、江差町と八雲町熊石を除く１３地点で過去最高を記録。最も高いのは奥尻町奥尻の２６・９度（２５日）。松前町は２３～２６日の４日連続で２６度を超えるなど過去１～８位を８月が占めた。

　「お盆を過ぎると涼しくなる」と言われるが、下旬（２１～３１日）も真夏日（最高気温３０度以上）が続いた。函館市美原は２２～２９日の８日連続で１９８４年と同じく１位、江差町は２２～３１日の連続１０日、松前町は１９～３１日の１３日連続でともに過去最大。函館市美原の旬別の平均気温は上旬（１～１０日）は２６・９度、中旬（１１～２０日）は２４・７度で下がったが、下旬は２７・７度と平年（２１・７度）より６度高くなった。

　降水量はかなり少なくない地点が多く、江差町１１・５ミリ（平年１６７・０ミリ）、北斗市３０・０ミリ（同１５８・５ミリ）、松前町２０・５ミリ（同１５７・５ミリ）はいずれも８月として過去最少。函館市美原３０・０ミリ（同１５６・５ミリ）は同じく７番目の少なさ。一方で今金町では６日、停滞する前線の影響で大雨となり、１時間降水量５５・５ミリは同じく過去最大を記録した。

　日照時間は、函館市美原は１９６・５時間（平年１４８・０時間）でかなり多く、江差は２００・１時間（同１６５・１時間）で多かった。

　今夏の気温は各月で高く、函館市美原は７月８日にこれまでで最も早い真夏日を記録。真夏日は、７月は５日、８月は２１日の計２６日（年平均４・１日）で、日平均気温が２５度以上の日は計３４日（同６・２日）とともに過去最多を更新。江差町の真夏日は８月だけで計１６日（２・４日）となり、７月２０日以来、夏日（最高気温２５度以上）が続いた。

　季節ごとの気温は、春（３～５月）も函館市美原（９・３度）、江差町（９・６度）がともに過去最高で、２季連続で１位を更新した。

　今夏の降水量は、函館市美原２６４・０ミリ（平年３５９・８ミリ）、江差町２５２・０ミリ（同３７２・０ミリ）でともに少なかった。日照時間は函館市美原５２４・３時間（同４５５・１時間）、江差町５２７・１時間（同４６７・０時間）でともに多かった。