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日高報知新聞

馬に呼ばれて日高に戻る 門別図書館郷土資料館が30周年 馳星周さんの講演会に130人参加【日高】

トレードマークのサングラス姿で故郷への思いや質問に答える馳さん

【日高】旧門別町120周年を記念して開館した門別図書館郷土資料館で11日、今年12月に開館30周年(開館日は1993年12月13日)を迎えることを記念し、浦河町出身で小学6年から高校卒業まで町内で過ごした直木賞作家、馳星周さん(58)の講演会が門別総合町民センターで開かれ、町民130人が参加して日高や馬に対する思いに耳を傾けた。

開館30周年を迎える門別図書館郷土資料館

 富川小の隣、沙流川のほとりに建つ同資料館は、30年前に旧門別町120周年を記念して開館。建物はドームに青とオレンジの屋根という特徴的な外観。「沙流川から流れ着いた情報の卵」、高い屋根は「太平洋から吹く情報の風」、低い屋根は「大地から吹く情報の風」をイメージ。近未来的なデザインから、現在でも旅行者が写真撮影していくという。

 「情報の卵」と称されるドームの中には、児童書が約3万7千冊、一般図書は約7万6千冊所蔵。馬に関する図書やパンフレットなどは、日高町の産業に関するものとしてコレクションしている。約2千冊、雑誌は7誌ある。

 この日は、30周年記念行事として直木賞作家、馳星周さん=長野県軽井沢町在住=が町門別総合町民センターで「馬を嫌って日高を出、馬に呼ばれて日高に戻る」がテーマの講演会を行った。

 馳さんは、1996年に「不夜城」で小説家としてデビュー。2020年に「少年と犬」で第163回直木賞受賞。受賞後の第一作「黄金旅程」では、馬産地・浦河町や日高町を舞台とし、人と馬との物語を描いた。

 講演では、高校卒業後日高を離れた理由について「小さい頃から馬ふんの臭いが好きでなく、馬のいない所や、とにかく本好きであったことから大きな本屋がある街に住みたかった」と振り返った。しかし約7年前、妻の影響で競馬が好きになり、馬が好きになったことなどから涼しい日高地方の素晴らしさ、馬産地の魅力、食の豊かさに感動したという。現在夏の間は浦河町で過ごしている。

 「出たくて仕方がなかった日高だけど、ふとしたきっかけで馬が好きになり戻ってきた。馬に呼ばれたのかな」と口にした。自分の人生を振り返り「年齢を重ねると自分の未来を限定してしまうけど、いろんな選択肢がありいろいろ挑戦できるもの」と語った。

 講演後は、トークイベントが行われ「ペンネームの由来」や「小説は誰に向けて書いているのか」「作家として伝えたいこと」などの質問に丁寧に答えていた。

 参加した石原美奈子さんは、「不夜城の頃からのファンでとても興奮している。これからも新しい小説を書き続けてほしい」と話した。

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