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苫小牧民報

共生への思い新たに ウポポイで「能楽キャラバン」特別公演  白老

白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)で7月30日、能楽協会主催の「日本全国 能楽キャラバン」の特別公演が行われ、約200人が日本とアイヌ民族の歴史ある伝統芸能を楽しんだ。

「三番三揉之段」を演じる役者ら

 冒頭、ウポポイの伝統芸能チームが格式の高い特別な言葉を使ったあいさつ「ウウェランカラプ」と男性の力強い動きや発声を伴うもてなしの踊り「タプカラ」を披露。続いて能楽協会の役者らが五穀豊穣(ほうじょう)を祈願する「三番三(さんばそう)揉(もみ)之段」や天から降ってきた鼓を打ち鳴らす少年、天鼓(てんこ)を巡る悲劇と情愛を描く「天鼓 弄鼓(ろうこ)之楽」を上演し、それぞれの演目に大きな拍手が送られた。

 舞台で司会を務めた能楽協会の能楽師、観世(かんぜ)喜正常務理事は「美しい湖を望みながら、互いに長い歴史を持つ伝統舞踊を通じ、共生の思いを新たにした。舞台を終え、企画趣旨以上の充実感を覚える」とほほ笑んだ。アイヌ民族文化財団民族共生象徴空間運営本部の野本正博副本部長も「ウポポイは世界各地のさまざなま文化が舞う場所でもある。能の舞台が組まれた意義は大きく、今後も世界とつながる文化的なイベントを発信していきたい」と語った。

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