室蘭拠点にイルカ研究 東海大学院修士2年の黒崎さん、フィールドワーク3年目【室蘭】
東海大学大学院修士2年の黒崎菜摘さん(23)が、室蘭を拠点にカマイルカの調査・研究を行っている。卒業論文作成から噴火湾でのフィールドワークを続けて3年目。ウオッチング船に乗船して撮影などに専念しており「子どもの時からの目標が一つかなった」とカマイルカを追っている。
茨城県出身。小さい頃に家族と水族館を頻繁に訪れていたことをきっかけに、イルカショーのスタッフになるのが将来の夢だった。研究の道にかじを切り、大学に進学した。カマイルカに関する卒業論文の研究のため4年次から、イルカのいる6~8月にかけてフィールドワークを続けてきた。
クルーズ船を運航するスターマリン(室蘭市祝津町、伊藤京香代表取締役)のウオッチング船に同行させてもらい、カマイルカを探す。乗船客がイルカの群れに歓声を上げる中、黒崎さんは海中にいる生物のDNA調査のために海水のくみ上げと同時に、写真撮影にも専念する。
10日正午近く、噴火湾海域で、遺伝子の突然変異で色素が欠乏して白化する「アルビノ」とみられる個体を発見した。約20頭が泳ぐ群れの中で、水面から姿を現した瞬間を捉えた。「背びれが後ろに湾曲している特徴があり、おそらく雄のカマイルカ」と推測。船を操縦する伊藤代表取締役も「最初は波のしぶきかと思ったけれど、よく見るとカマイルカの体。以前にもアルビノを見たことはあるが、また別の個体かもしれない」と説明した。
フィールドワークは8月中旬まで行う予定。来春からは道内の環境調査会社に就職が決まっている。「ミンククジラやカマイルカを見られる時期が早くなっている。要因は分からないが、気候変動が影響しているのかも」と気がかりな点を指摘しながら「室蘭を離れるのは寂しいが、年1回は戻ってきたい」と話している。
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