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十勝毎日新聞

三セク「新嵐山」清算へ 25年3月末、債務超過で【芽室】

 芽室町は、「新嵐山スカイパーク」を運営する町100%出資の第三セクター「めむろ新嵐山」(社長・佐野寿行副町長)を、2025年3月末で清算する方針を固めた。町は同パークの持続可能な運営を目指し、今年度末までに「三セク以外での新たな経営体を模索する」考え。

 同社は02年に設立、06年から同パークの指定管理者。近年はコロナ禍の影響で宿泊やレストラン部門を中心に売り上げが大きく落ち込み、19年度から3期連続の赤字決算だった。22年度は町からの財政支援もあり4期ぶりの黒字となったが、依然として債務超過状態が続いている。

 町は同社について「資金繰りが逼迫(ひっぱく)しており、経営は危機的状況」と認識。町民の財産である同パークを存続させていくためには、三セクによる運営は限界と判断した。現在の指定管理期間を24年度末まで延長し、清算に向けた作業を進める。

 町は経営悪化の要因を、コロナ禍で落ち込んだ売り上げ実績と町の委託料の乖離(かいり)と分析。20年に策定した新嵐山活用計画「リュラル イン ザ・スカイパーク」の実施とコロナ禍が重なり、厳しい経営状況の中で町からの委託料が十分でなかったとする。町は19~21年度の乖離分を補助金として支払う対応策を検討しており、9月議会にも補正予算を提案したい考え。

 町は同社清算後、指定管理を前提とした「三セク以外の運営」へかじを切る方針で、同社清算までに「民間に手を挙げてもらえるような」経営状況を目指す。次期指定管理者の募集は来年8月ごろが目標で「指定管理料の値上げも検討する」としている。

 12日に開かれた町議会全員協議会で手島旭町長が説明した。町議会は7月中にも同パークの今後の在り方を協議する特別委員会を設置することで合意。経営方針の変更や町の資金支援計画などについて審議する。

 同社の社員数は正社員26人、パート10人。社長の佐野副町長は同日、社員に清算の方針を説明したとし、「今の形でなくなっても社員が働き続けられるよう、雇用を守る努力をしていく」と話した。

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