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室蘭民報

来場延べ87万人、「年間100万人」へ魅力発信 ウポポイ開業、12日で3年【白老】

開業からの累計来場者数が87万4千人に到達したウポポイ

アイヌ文化復興重視求める声も

 白老町のウポポイ(民族共生象徴空間)は12日、開業から3年を迎えた。コロナ禍での営業が続き、6月末現在の累計来場者数は87万4千人と目標の年間100万人に届いていない。運営する公益財団法人アイヌ民族文化財団は来場者との交流型のプログラムを増やし集客増強に取り組む方針。一方、地元の関係団体からは数字だけにとらわれない「アイヌ文化の復興」に軸足を置いた運営を求める声も聞かれる。

 「本年度のウポポイの来場者数は頭打ちとなっている。インバウンド需要を取り込むための施策など、極めて重要と考えている」。8日に開かれた開業3周年記念式典で、アイヌ施策担当の岡田直樹内閣府特命担当相は危機感を示した。

 同財団によると、来場者数は開業した2020年度は22万2千人、21年度は19万人、22年度が36万9千人だった。23年度は6月末現在9万1千人で推移している。

 コロナ禍の逆風で客足は伸び悩んだ。6月に就任した民族共生象徴空間運営本部の村木美幸本部長は「声を出したり、お客さまと手をつないだり、踊ったりといったことができなかった」。感染拡大を避けるため、入場制限やプログラムの制約など、難しい運営を強いられたことを理由に挙げる。

 今後は双方向のプログラムを増やし、集客につなげる。ムックリや輪踊り体験など「来場者と交流しながら、より近い形でアイヌ文化を伝えていきたい。また違う魅力を発信できると思っている」とし、道外に広くPRしていく機会を増やす考えを示した。

 地元の関係者からは「100万人という数字にとらわれ過ぎでは」と指摘する意見もある。白老アイヌ協会の山丸和幸理事長は「ウポポイができた本来の目的はアイヌの文化を復興すること」とし、70~90代の人たちがどのように生活してきたかを若い職員が聞く機会を設ける必要性を示す。

 「来てくれる人が多いほど私たちを理解してくれる人が増えるので観光は否定しない」としながらも「100万人が主になって肝心な部分が横にそれている気がする」と長期的な目線に立った施設づくりの大切さを強調した。

   ◇

 ウポポイは、きょう12日から、ウポポイで撮った写真を募集するフォトコンテスト(来年1月14日まで)と、ウポポイで撮影した写真を組み合わせたアート作品を募るフォトモザイクアートプロジェクト(9月30日まで)を始める。応募規定など詳細は特設ウェブサイトで確認するとよい。

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