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日高報知新聞

「すずりっか」の大規模試験栽培も ひだか東農協 夏イチゴの共同選果場が本格稼動【浦河】 

くしけた農園ですずりっかの栽培管理にあたる櫛桁寿樹さんと研修生

 ひだか東農協(本所・浦河)が運営する浦河、様似両町内のイチゴ共同選果場が、本格稼働に入った。今年は主にケーキなどの加工用として使われる特産の夏イチゴ「すずあかね」の後継品種として大規模試験栽培が行われている「すずりっか」(品種登録中)の出荷も始まり、販売先でも日持ちの良さなどもあって上々の評価という。共同選果は11月まで続き、関東圏に8割、残りは道内向けなどに出荷される。

本格稼働に入ったひだか東農協のイチゴ共同選果場

 浦河町の選果施設は2014年(平成26年)に浦河町堺町東1に開設。その後のイチゴ生産量の増加にともない、17年秋に様似町緑町の農協様似事業所内にも共同選果場を新設し、両町の2施設で稼働している。

 「すずあかね」は、果実崩れが少なく酸味が特徴。燃料や肥料の高騰、運賃など出荷経費の負担が増す中、今年度は後継品種「すずりっか」の大規模試験栽培が6戸の農家で始まっている。各農家や関係者は、省力化による作業性の向上や、収量と製品率の向上による販売額増加に期待しながら、課題の耐暑性や病害虫耐性などにも問題がないか見極めながら収穫作業に追われている。

 6月30日には約1・5㌧が選果場に運ばれ、浦河・様似両選果場のパート従業員54人が色や形、大きさなどにより厳密に見極め、丁寧にケースに詰めていった。

 同農協営農生産課の工藤智課長は「夏イチゴの一大産地として、生産者と54人のパート従業員とともに繁忙期の選果作業に頑張っていきたい。国内生産量の減少により、国内需要を満たしていない状況で引き合いは強く、平年より単価は高値で推移している」と話している。

 今年度は37戸(浦河町16戸、様似町21戸)で、栽培面積は前年比99・8%の5万9110平方㍍、生産量は193㌧、販売額は4億3600万円、規格外は35㌧の買い取りを計画。出荷のピークは7月中旬~下旬、9月中旬~10月上旬の2回を見込んでいる。

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