世界再認定へ万全、洞爺湖有珠山ジオパーク 審査員、8日現地入り【胆振西部】
豊かな自然と貴重な地形を有する「洞爺湖有珠山ジオパーク」の国連教育科学文化機関(ユネスコ)による世界再認定審査が8日から、5日間の日程で行われる。審査員がジオサイト(見どころ)や関連施設のほかに、世界文化遺産の「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産も視察する。現地の関係者は「準備万全」と受け入れ態勢に抜かりはない。
同ジオパークは伊達市と洞爺湖、壮瞥、豊浦の3町にまたがり、2009年に国内で初めで世界認定された。
再認定審査は4年に1度。洞爺湖町など胆振西部1市3町でつくる洞爺湖有珠山ジオパーク推進協議会は、前回(19年)指摘された案内板、解説看板、ウエルカムサインのデザイン(ロゴマークなど)の一貫性について、改善を図った。このほか火山マイスターやアイヌ文化といった特色の発信強化など、指摘事項への対応を進めてきた。
ユネスコが派遣する中国の専門家2人が、8日午後に洞爺湖町に入り9日から本格的に現地視察などを行う。2000年有珠山噴火の遺構など、ジオサイトを火山マイスターや地元ガイドが紹介する。
前回審査後に世界遺産に登録された「縄文遺跡群」の構成資産の北黄金貝塚(伊達)、入江・高砂貝塚(洞爺湖)も行程に組み込み、ジオパークとの連携をアピールする。
同協議会は「ジオパークだけでなく、この1市3町のエリア全体の魅力を伝えたい」とし、昨年から始め、現在20団体が登録する「ジオパークパートナー」制度など「地域住民の活動がジオの活動。その部分を重点的に訴えていく」と話している。
ユネスコは9月にモロッコで開かれるユネスコ世界ジオパーク大会で可否を判定する予定。同協議会会長の下道英明洞爺湖町長は「洞爺湖有珠山ジオパークの火山の恵みの享受、減災の文化を世界に発信し、日本の各地域を引っ張るフロントランナーでありたい。世界遺産である縄文文化との連携も発信していく」と力を込めた。
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