摩周丸「ふね遺産」に認定 船体として初、安全性高めた先駆け【函館】
北海道と本州を結んだ青函連絡船の中で、1965年に就航した「摩周丸」(現函館市青函連絡船記念館摩周丸)と64年就航の青函連絡船メモリアルシップ「八甲田丸」(青森市)が日本船舶海洋工学会が認定する第7回「ふね遺産」に選ばれた。摩周丸が船体として認定を受けたのは初めて。
2隻の認定理由について、安全性を重視した戦後の第二世代青函連絡船の先駆けとしている。函館市若松町に係留されている摩周丸は2代目で、54年9月に発生した洞爺丸事故の後、高速自動化した「津軽丸型」連絡船の5番船にあたり、65年6月15日に三菱神戸造船所で竣工。同30日に就航した。
船体外板を二重とした「二重船殻(にじゅうせんかく)構造」の初期構造で、隣接する2区画に浸水しても沈まない設計。船尾は初代に無かった扉を装備し、防火設備も強化した。羽根の角度を自在に変えることができるスクリュープロペラなどを採用。膨張式シューターなどの救命設備、運航記録なども保存されている。91年からメモリアルシップとして公開され、ほぼ就航当時のまま保存されている。八甲田丸とともに現存する青函連絡船2隻のうちの1隻。
摩周丸はこれまで、展示物(写真など)は経済産業省の「近代化産業遺産」(2008年度)に認定。また、摩周丸と可動橋、八甲田丸とその可動橋は1組として日本機械学会の「機械遺産」(11年度)に認定されるが、船体としては初めて。指定管理者のNPO法人「語りつぐ青函連絡船の会」の高橋摂事務局長(68)は「八甲田丸と違い車両甲板など公開されていない所もある中で、保存されている船体そのものが認定されたのはうれしい」と喜んだ。
ふね遺産は、歴史的で学術的・技術的に価値のある船舟類およびその関連設備を認定することで、社会に周知し、文化的遺産として次世代に伝えることを目的に2016年に創設。今年は南極観測船「宗谷」など計6件が認定され、4日に日本船舶海洋工学会ふね遺産認定実行委が公表した。同法人には認定書とプレートが送られる。
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