カーネーション共選軌道に乗る 七飯で農福連携4年目【七飯】
【七飯】農業と福祉が手を結ぶ「農福連携」で、JA新はこだてのカーネーション共選が軌道に乗っている。雇用契約を結んだ障害者は今年度、過去最多の23人(19~55歳の男女)に上り、施設でカーネーションの選別、ラッピング、箱詰め作業に励む。パート従業員不足が深刻化する共選施設での働き手の確保につなげ、障害者の一般就労に結びつく事例も出ている。
今年で4年目の取り組み。JAと社会福祉法人函館恵愛会(函館市深堀町)が直接、施設外就労の契約を結んでいる。農福連携の必要性にいち早く着目し、双方がコミュニケーションを取り、障害者が働きやすい環境整備を進めてきた。
1、2年目はクレドホテル函館(就労継続支援A型)の利用者のみだったが、3年目の昨年度から松陰プラザ(同)とクリン(同B型)の利用者も加わり、今年度は3事業者から働きに来ている。今年は6月19日にスタートした。
労働時間は午前8時半~午後5時(休憩時間は1時間半)。共選施設は農家が支払う手数料で運営しており、利用者に支払う賃金も手数料が財源になっている。
JAによると、一般のパートは高い賃金設定の職場に人材が集まるため、共選施設は集まりづらい状況。施設で働くパートは現在40人いるが、7~8月の需要期を乗り切るには、さらに人員が必要になるという。
JA七飯営農センター生産施設課の田代慎太郎さん(24)は「雇用を確保でき、助かっている。農福連携4年目に入ったが、共選を経験し一般就労に移行した人もおり、良い結果が出ている」と胸を張る。
利用者の一人で2年目の大澤梓さん(30)は「子どもがおり、働く時間の融通が効くので共選の仕事が自分に合っている。メンバーが増えて心強いし、安心して働くことができる」と話す。
クレドホテル支配人の齊藤公則さん(41)は「事業所以外で働くので、環境が変わって体力的にも合うのか、周囲とコミュニケーションが取れるのかなどを見極め、個々の適性に合わせた作業内容を設定している。大人数を快く受け入れてくれる施設はないので、ありがたい。利用者が共選の力になり、成長できるよう頑張りたい」としている。
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