【大谷室蘭－文教大付】前半３４分、右足で先制ゴールを決める大谷室蘭・大沢⑧＝札幌市東雁来公園サッカー場

「８強」胸に全国舞台へ

　【札幌】サッカー・全国高校総体（インターハイ）道予選は２１日、札幌市東雁来公園サッカー場で男女の決勝が行われた。女子は大谷室蘭が文教大付（札幌）に２－０で勝利、２０２１年以来２年ぶり６度目の栄冠をつかんだ。男子は旭川実が札幌創成を下し優勝。３位決定戦を勝った札幌第一を加えた３校が、７月２９日から旭川市で行われる全国大会に出場する。

　▷女子決勝
大谷室蘭　２－０　文教大付

　【評】大谷室蘭は前半残り１分、ＤＦの背後に抜け出した大沢がＧＫの位置を見て冷静なループシュートを決め先制。試合終了間際にはＣＫから途中出場の沼田が押し込み、試合を決定付ける２点目を挙げた。文教大付に押し込まれる展開も多かったがＤＦ陣を中心に体を張った守備を見せ、守り抜いた。

堅守で“無失点”頂点

　“無失点優勝”を飾った。同大会優勝回数で並ぶ伝統校同士の一戦は一進一退の攻防が続いた。

　均衡を破ったのは「得点を取ることだけを考えていた」と臨んだ大沢。前半３４分、中盤ではじき返したボールに反応。ＧＫの位置を見て右足で合わせたボールはきれいにゴールへ吸い込まれた。得点以外にも自主トレーニングで培った運動量で前線からプレッシャーをかけ続け守備でも貢献した。

　後半に入ると、文教大付がポジションチェンジや選手交代で攻勢を強めた。攻め込まれる場面が目立ったが主将の山田は「一人一人が戦えていた」と振り返るように粘り強い守備で最後までゴールを割らせなかった。

　大谷室蘭は受け身だけにならず、白井がサイドから攻め上がったり、鋭いカウンターから千葉がシュートを放つなどゴールに迫った。試合終盤、ＣＫを得ると混戦から沼田が押し込んで試合を決めた。

　石井一矢監督が「何が何でも勝ちたかった。得点を挙げて勝利したかった」との思いに選手が応えた。

　チームは全国ベスト８を目標に掲げる。山田は「（全道優勝は）うれしいが全国大会がすぐにある。気が抜けない」と話す。決定力やパス精度などの課題を挙げ「全国の壁は厚い。レベルアップできるよう取り組む」と力を込めた。

　帯広市出身の大沢は、地元開催の全国大会を見据え「今まで関わってくれた人たちにプレーで感謝を伝えたい」と活躍を誓った。

　その他の試合結果。

　【男子】
　▷準決勝
旭川実業　１－０　札幌第一
札幌創成　３－０　とわの森

　▷３位決定戦
札幌第一　５－０　とわの森

　▷決勝
旭川実業　３－２　札幌創成

サイドから攻め上がる大谷室蘭・白井③

シュートを放つ大谷室蘭・千葉⑨

サッカー・全国高校総体で２年ぶり６度目の優勝を果たし、喜ぶ大谷室蘭イレブン