トラックが反対車線にはみ出たか 死亡した乗客は運転手後方の座席【八雲】
【八雲】八雲町野田生の国道5号で18日、大型トラックと都市間高速バスが衝突し、バスの乗客ら5人が死亡した事故で、八雲署などは19日午後から現場で実況見分を行った。また、亡くなったトラックの運転手が対向車線をはみ出した可能性が高いとして、過失運転致死容疑で同日午後7時すぎ、トラックを所有する八雲町内にある養豚会社「日本クリーンファーム道南事業所」に家宅捜索に入った。
同署は、19日未明に死亡した5人の身元を確認したと発表。亡くなったのは、バスの乗客で函館市旭町の地方公務員、若崎友哉さん(33)、鹿部町本別のパート従業員、高清水忍さん(57)、札幌市清田区の職業不詳、高橋裕美さん(55)。バスを運転していた札幌市清田区の会社員、興膳(こうぜん)孝幸さん(64)、トラックを運転していた森町港町の会社員、梶谷誠さん(65)。
バスを運行していた北都交通(札幌)によると座席予約の記録から、亡くなった乗客3人は、運転手のすぐ後ろの席から縦に並んで右の窓側の席に座っていた可能性が高いとみられる。
また、同社によると、運転手の興膳さんは、札幌―新千歳空港間などの路線を運転する勤続15年のベテランドライバー。札幌―函館間の運転にも慣れ、入社から重大事故を起こしたことがない優良乗務員だった。今回の乗務前の16、17日は休暇を取り、18日は乗務前のアルコール検査や健康状態も問題なく、既往歴もなかった。午前7時50分に札幌を発車し、道央道の有珠山サービスエリアなどで計30分の休憩をとっていた。
一方、大型トラックを所有する日本クリーンファーム道南事業所によると、事故を起こしたトラックは、18日午前6時半ごろ森町を出発し近隣農場を巡回後、七飯町の養豚場で体重100キロ前後の豚30頭を載せ、八雲町の食肉処理場に向かう途中だった。運搬数は通常という。運転していた梶谷さんは勤続30年以上のベテラン社員で、まじめな性格で勤務態度も良かったという。
同社はニッポンハムグループの豚肉の国内生産量トップの生産事業者、道南事業所は、10カ所の農場を所有する。笹谷諭貴規道南事業所長は「ご迷惑をかけ、大変申し訳ない。誠心誠意対応する」と謝罪した。
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