村上さん（右）の手さばきを真剣な表情で見る学生

　函館短大付設調理製菓専門学校（山本仁志校長）は９日、全国で会員制ホテルを運営するリゾートトラスト（名古屋市）のグランドエクシブ那須白河（福島県）料理長の村上兼一さんを講師に招いた特別実習を同校で行った。調理製菓総合科１、２年生３０人が調理から盛り付けまでプロの技術を間近で学んだ。

　村上さんは、同校の吉田徹教頭が西洋料理店「東洋軒」（東京）で働いていた時代の後輩で、リゾートトラストに就職した同校卒業生も２人いる縁で、昨年に続き実習が実現した。

　同社は福島～鹿児島と米国の国内外４１カ所でホテルを展開、ホテル業界でトップの売り上げを誇る。

　実習に先立ち、同社の城塚良彦さんと中村愛さんが会社説明を行い、年間休日が１２０日あることや、各ホテルに個室の寮を完備していることなど福利厚生が充実している点を強調。料理は地産地消にこだわり、舌の肥えた客を満足させるため高級食材をたくさん使うとした。「高級食材を使うので、料理人にとって勉強になる。自分の力を伸ばしていける職場環境が整っている」と進路の選択肢にするよう呼び掛けた。

　村上さんは「トリュフ香るジャガイモをまとった子羊背ロース肉のポワレ」「オマールエビ　メロン　トマト　キャビアのアンサンブル」の２品をデモンストレーション。村上さんは「フランス料理は、牛でなく、子羊やカモ肉がメインになる」と解説。オマールエビの殻からソースを作るなど、ホテル現場での作り方を披露。学生たちは五感をフルに活用し、食材の良さを感じ取っていた。また、キャビアは３種類あると説明すると、学生たちは驚いていた。

　吉田教頭は「日本トップクラスの技術、スピード、味、盛り付けなど、全てを見てほしい。就職先の一つに考えてもらえたら」と話した。

　１年の三浦隆太郎さん（２２）は「料理はとてもおいしそうだった。普段は見たことがない高級食材を使い、非日常を経験できて楽しかった」と笑顔を見せた。