クレインズ、遅配解消にめど 破産手続き棄却へ【釧路】
釧路を本拠地とするアイスホッケークラブチームのひがし北海道クレインズの選手、スタッフ、出資者が、同チームを運営するひがし北海道クレインズ株式会社(田中茂樹代表取締役社長)に対し、債権者として破産手続き開始の申し立てをした問題で釧路地裁は7日、審尋を行い、クレインズが遅配解消のめどが立っていると説明した。同地裁はクレインズの未払金の支給、返済の確認を経て、破産手続き開始の申し立てを棄却する見通し。
田中社長と債権者の代理人弁護士によると、選手とスタッフの未払い分の給与総額1500万円と、個人出資者が返金を求めている2000万円の合計3500万円について、クレインズを支援する関係者が金融機関から借り入れてクレインズに貸し付け、債権者に支払う。クレインズは今週末にも手続きが完了するとしており、同地裁は未払いの解消を受け、破産手続き開始の申し立てを改めて判断。破産原因が認められないとした場合、申し立ては棄却される。
釧路新聞社の取材に対し田中社長は「支援者の協力があり、選手たちへの給与遅配を解消できる」と感謝。さらに「4年前のきょうはひがし北海道クレインズがアジアリーグに加盟した記念日。リーグ開幕は迫っている。準備を進めていく」と前を向いた。半面、釧路を本拠地とする新チームを設立し、アジアリーグへの新規加盟を目指す株式会社北海道ワイルズの山田謙治社長については、破産手続き開始の申し立てを主導したとして非難。「多大な損害を被った。黙認するわけにはいかない」と法的措置も辞さない構えを示した。
審尋後、取材に応じた山田社長は「一連の申し立てと新チームの設立準備は、選手たちの環境改善が原点にある。まず、しっかりと未払いが解消されるかを見届ける」と話した。一方で新チームを立ち上げたとしても、9月開幕のアジアリーグ参戦は難しい状況となっているが「クレインズの現状は安定経営とはほど遠い。仮にスタートを切れてもいつ、再び遅配が発生してもおかしくはない。釧路のアイスホッケーの火を守っていくためにも新チームをつくり、新規参戦に向けた体制整備をしていく」と力を込めた。
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