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釧路新聞

博物館、「客トロ」写真初入手 岩瀬さんから寄贈【釧路】

 1937~65年まで、釧路市山花と阿寒町仁々志別を結んでいた簡易軌道「仁々志別線」。釧路市立博物館(松本敦館長)にこのほど、市内在住の岩瀬和子さん(87)から、古い自動車のボディーを覆い被せた同線のトロッコを記録した写真が寄贈された。このトロッコの存在は資料には文章で明記されていたが、実物の写真は今回初めて同館が入手した。

 簡易軌道(殖民軌道)は、道東や道北を中心に内務省北海道庁が整備した鉄道の一種。大正時代後期から敷設が始まり、車の普及や道路の整備が進んだ昭和40年代後期まで物資や地域住民などの輸送を担い、開拓や日常生活を支えた。

 仁々志別線は、雄別鉄道の穏禰平(おんねびら)駅前(後の山花駅)から仁々志別までの約12㌔の路線で、停留場は4カ所。レールの上を、木炭や農作物、木材などを積んだトロッコが馬に引かれて走った。トロッコは人が手押ししたり、積雪が多い冬期間は馬ぞりが代役を務めたりすることもあったという。

 旅客運行は当初、客が荷物の間に便乗する形だったが、後に古い自動車のボディーを載せた客車「客トロ」が登場した。釧路市立博物館の石川孝織学芸主幹は「少しでも快適にするための工夫だろう」と推察する。

 岩瀬さんは1944年ごろまで、家族で仁々志別に住んでいたことがあり、今回寄贈された写真は当時の家族写真と一緒にアルバムに貼られていた。大きさは縦約4・8㌢、横同6㌢。岩瀬さんによると、40~43年に岩瀬さんの父で、仁々志別尋常高等小学校に勤務していた故永田栄さんが撮影したとみられ、場所は穏禰平の可能性が高いという。

 石川主幹は「数少ない仁々志別線の資料。さまざまな刊行物などに使用していきたい」と話していた。

今回寄贈された写真。右上に移っているのが客トロ(釧路市立博物館提供)

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