特別室４部屋オープン

　第一滝本館グループのホテル・滝本イン（登別市登別温泉町）が「ａｄｅｘ　ｉｎｎ（アデックスイン）」として生まれ変わった。食事を提供しない素泊まりをベースとし、アウトドア志向の客を取り込みたい考え。４月１日からオープンしている。

　経済産業省の「事業再建構築補助金」、観光庁の「地域と一体となった観光地の再生・観光サービスの高付加価値化事業」の採択を受け、昨年１１月から約２億５千万をかけて改修した。

　客室数は４７室。素泊まりをベースとすることで、食事のために登別温泉街を散策する観光客の増加が見込まれ、飲食店などへの波及効果も期待できるという。

アデックスイン内のオールデイカフェ

　施設内には登別温泉では初となるオールデイカフェ「ａｄｅｘ　ｃａｆｅ（アデックスカフェ）」を開設。恵庭で焙煎している「珈琲（コーヒー）きゃろっと」から仕入れたコーヒーやバケットサンド、ベーグルなどの軽食を提供。テイクアウトにも対応しており、宿泊客以外の利用も見込む。

アデックスイン内の「メディアルーム」では公衆無線ＬＡＮ「Ｗｉ－Ｆｉ」やプロジェクターを整備。ワーケーションとして利用もできる

　宿泊客専用のリラックススペースとして「メディアルーム」も新設。公衆無線ＬＡＮ「Ｗｉ－Ｆｉ（ワイファイ）」やプロジェクターを整備し、宿泊客が撮影した写真や動画を投影することができるほか、研修後のディスカッションスペースとしての活用も見込む。窓際には１人用のブースもあり、ワーケーションとしての利用もできる。

　長期滞在しながらアウトドアツアーを楽しめるよう、コインランドリー完備の乾燥室も整備したほか、レンタサイクル事業も展開。電動アシスト自転車２台、マウンテンバイク８台の計１０台を導入し、１日３５００円で貸し出す。

　隣にはアウトドアツアーを提供する第一滝本館の関連会社「株式会社ＡＤＥＸ」が運営する「ａｄｅｘ　ｂａｓｅ（アデックスベース）」もオープン。第一滝本館の源泉見学体験やスノーシュー体験などガイド付きのアクティビティツアーを販売しており、体験型観光に関心の高い訪日客や国内客

を呼び込みたい考え。５月からはアウトドアギアの販売も開始する。

　アデックスインの志渡将紀支配人は、今後は客室改修も検討していると説明。「アデックスインを拠点に温泉以外の登別の魅力を発信し、体験型観光を盛り上げたい」と話している。

地獄谷を望む露天風呂を備えた客室改修を行った第一滝本館の西館特別室

　一方、第一滝本館では西館９、１０階の４部屋を新たに特別室としてオープンした。源泉かけ流しの展望露天風呂から眺める地獄谷の絶景は格別。温泉で心身を休めながら仕事をするワーケーション需要の取り込みを狙う。２０２３年１月に着工、４月２２日から販売開始している。総工費は３億円。