総会であいさつする澤田組合長

【新ひだか】みついし農協（澤田祐喜組合長、正組合員３４４人）の第41回通常総会が７日、本桐生活館で開かれ、２０２２年度事業報告や23年度事業計画など提出８議案を原案通り承認した。

　総会は、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から大半の組合員が書面出席を選び、万が一に備えた形で開催した。

　澤田組合長はあいさつで「当組合の農業生産は、６月から続いた悪天候の影響で草地改良が進まず、牧草の生育に大きな支障が生じた反面、水稲は豊作。主力品目の花きは、一年を通じて高単価に恵まれた。肉用牛は枝肉価格が上がらないことから、子牛セリ価格の下落傾向が進み前年を下回る結果。軽種馬市場は活況だった。しかし、世界的経済の不安定な状況や資材全般の価格高騰により農業経営を圧迫。酪農は生産費の上昇に加えて、生産過剰による生産調整を迫られる事態。水田利活用の直接支払交付金の大幅な見直しについては、個々の農業経営はもちろん、地域経済全体への影響の大きさを憂慮せざるを得ない。組合員の皆様に健全で円滑な農業経営を続けていただけるよう情報提供、支援を続ける。昨年６月２日に急逝された酒井前組合長の後任としてここまで務めることができたのも、皆様のおかげ。残りの任期も、関係機関と連携し、組合員の皆様の力をいただきながら、この逆境に負けぬよう、役職員一丸となって地域の農業振興に努めていく」と述べた。

　22年度の農畜産物販売は、全体で前年比約３億３２３７万円増の42億２１２万円。うち農産物は９億５１１０万円で、主力の「花き」が出荷本数６７８万本と前年から減少し、単価は上昇、金額は前年と比べ７３６８万円増の８億５９３９万円だった。

　畜産（軽種馬を含む）は、全体で32億５１０１万円。肉用牛枝肉の販売が前年比５頭減の４９０頭で、金額は前年比２０９５万円減の６億３２０６万円。素牛は販売価格の下落で、前年比６４４２万円減の５億５３０万円、酪農の生乳は２億４９３２万円。農協の販売手数料収入はないが軽種馬が２１９頭、前年比３億８５２２万円増の18億４０３０万円。

　預金期末残高は前年比４億１３２１万円増の１２６億６９５７万円。財務の健全性を示す自己資本比率は21・62％。

　当期経常利益は約５８７９万（前年５９６５万円）を計上し、利益剰余金のうち１％を出資配当金とし、２千万円を事業分量配当金に充てた。

　23度事業計画では、依然として厳しい局面の中、高品質な農畜産物生産が維持継続され、組合員の所得増大を支える取り組みが重要とし、①特産品を生かした産地化の推進②次世代を担う人材の育成・確保③環境保全の取り組み、農畜産物の安全安心の取り組み④財務の健全化と更なる自己資本の充実―を基本方針に掲げた。農畜産物の販売は前年比５億１６２２万円減の36億８５９０万円、当期利益は９０８万円、繰越利益剰余金を含めた未処分利益剰余金は３１２８万円と厳しい見通しで計画している。

　欠員に伴う役員の選任では、土居正広氏（歌笛地区）を理事に選任した。