【根室】北方領土対策根室地域本部（根室振興局）が、根室管内の高校生と取り組んでいたデジタルサイネージ（電子看板）が完成した。新年度は、参加した高校生の意見を参考に、管内の高校や小中学校での巡回展示をはじめ、署名活動会場への展示といった活用を想定している。（山本繁寿）

　電子看板の素材づくりは、北方領土返還要求運動の拠点である、根室管内１市４町の若者が全国の先頭に立つけん引役となるよう、後継者育成を目的に取り組む同地域本部の「北方領土プロジェクト``Ｎ､､」の一環。

　高校生など同世代に興味を持ってもらおうと、昨年暮れから北方領土を題材に電子看板向けの素材づくりを行っていた。根室管内の６校から１４人が参加、３グループに分かれて対面やオンラインによる計３回の会合でまとめ、同地域本部が完成させた。

　Ａグループは「ロシア文化と北方領土問題」で、ロシア文化をクイズ形式にしたり、色丹島が舞台のアニメ「ジョバンニの島」を使ってアピールしている。Ｂグループは「北方領土ってどんな所？」と題し、北海道や根室地域と似ている点、異なる点を紹介。Ｃグループは「私たちの四（し）島（ま）」と題し、北方四島の豊かな自然やごみ問題を通して「四島の自然を守りたい」がテーマになっている。

　国後島３世で同地域本部運動交流係の山本里乃さんは事業を通して、「北方領土を真正面から紹介するだけではなく、若者に身近な切り口を用意して北方領土に関連付けていくというようなことも考えていきたい」と振り返った。

　電子看板映像は２日から、道北方領土対策本部のユーチューブチャンネルで公開。さらに「自ら行動する」をテーマに、高校生が中心になって巡回展示や札幌など都市部での啓発を想定、さらなる効果的な啓発方法を検討していく方針だ。

完成した電子看板映像（デジタルサイネージ）が披露された（２日、根室振興局）