福祉タクシー業サツエイ「患者等搬送事業者」に 苫小牧
苫小牧市消防本部は2月28日、市内栄町の福祉介護タクシー業「サツエイ」(木村珠美代表)を民間の「患者等搬送事業者」に認定した。応急手当用資器材を備えた車両で、緊急性が低い患者や体が不自由な人らを病院などに運ぶ同事業者は現在、市内唯一。木村代表は「認定に向けた講習がスタッフのレベルアップにつながった。安心して利用してもらえるように努める」と意気込みを語る。
同事業の実施に当たっては使用する福祉車両にストレッチャーや車いすを固定、収容できるスペースが必須な上、三角巾、担架など国が定める資器材を搭載し、乗務員は消防機関による資格講習を受講しなければならない。
市内では2011年12月に別の介護タクシー会社が第1号の事業者に認定されたが、18年10月に取り下げて以降は不在だった。
昨年3月設立のサツエイは同11月に福祉タクシー業に乗り出し、スタッフの研修を兼ねて認定取得にチャレンジ。木村代表の他、ドライバー、介助員らスタッフ3人が市消防本部で2月13日から3日間計24時間の講習に臨み、応急手当や搬送技術などを身に付けた。
搬送対応を巡っては、同本部と電話で模擬的なやりとりする訓練も重ね、木村代表は「丁寧に教わり、とてもためになった」と振り返る。
この日、市内新開町の市消防本部庁舎で行われた認定式には、受講したスタッフ全員が出席。認定証などを手渡した小野勝也消防長は「最大限バックアップするので、安心して搬送業務に当たってほしい。救急車の適正利用につながれば」と期待を寄せた。
完全予約制で、利用には運賃(630円~)と介助料(500円~)が掛かる。ストレッチャーなどの資機材を使用する場合は別途、費用が加算される。
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