藤丸のテナント2店 卸売市場で再出発【帯広】
1月末で閉店した百貨店・藤丸のテナントだった2店が、帯広地方卸売市場(西21北1、高嶋昌宏社長)内で再出発している。同市場直営で藤丸内で製造・販売していた「一鱗鮨」が、新設した水産加工室で13日から製造を再開し、場内で販売。手作り串団子「まる」(安加賀靜美代表)は、18日の移転オープンに向け準備を進めている。2店は18日、それぞれ記念メニューを限定販売する。
同市場は2021年4月、藤丸内の鮮魚店撤退に伴い、地下売り場に一鱗を出店。「一鱗鮨」のブランドで生ちらしなどを販売してきた。水産加工事業の強化も計画していた中、藤丸の閉店が決定、「すしや刺し身加工などを切れ目なく事業展開していくため、水産加工室の整備を前倒しした」(太田茂夫取締役)。
同室は場内の空きスペース約80平方メートルで新設。スタートから当面、おまかせ10貫(1380円)など8種を製造、場内の総菜売り場で販売していく。関連センターの平手伸英部長は「今後は販路も拡大し、新商品の開発も進めたい」とする。18日は藤丸でも人気だった「まぐろづくし」(1300円)を、同社の創業110周年にちなみ限定110セット販売する。
「まる」は札幌の和菓子店で修業した安加賀仁(故人)、靜美夫妻が40年ほど前から「餅のなかむら」として全道で催事販売をスタート。約20年前、藤丸の声掛けで地下売り場に出店し、現屋号とした。16年からは夫妻の長女、佐々木珠美さん(42)とめいの老木芹南さん(24)で店を切り盛り、珠美さんの夫弘純さん(53)が事務などを担う。
珠美さんは「藤丸閉店は報道で知り、移転を考える余裕もなかった。1月が過ぎても決まらず、不安でいたところ、市場さんに声を掛けてもらった。本当にありがたい」と笑顔を見せる。
新天地でも「弾力があり、軟らかさが売り」という串団子(あんやしょうゆなど10種、各1本108円)、あんもち1個173円などを販売する。現在オープンの準備を進める。栗大福は藤丸の催事でも販売した品で、18日は1個270円で限定110個を販売する。珠美さんは「場所は変わるが、おいしさは変わらず追求したい」と話している。
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