「遠隔手話」103件利用 2月からサービス開始【帯広】
帯広市が聴覚障害者などを対象に、1日から本格運用している「遠隔手話サービス」は、9日までに34人が登録、利用は103件と一定数あり、担当する市障害福祉課は「対象者はぜひ利用してほしい」とサービスをPRしている。
同サービスは、インターネットを通したビデオ通話で手話通訳を行うもの。
同課によると、聴覚にかかる障害者手帳を持つ人市民は809人(2022年3月末現在)。市では専任手話通訳者などの派遣事業を実施しているが、新型コロナウイルスの影響で同行できない場合があったことなどから、同行を伴わない同サービスの運用を決めた。22年9月末から23年1月末までは試行運用、2月1日から本格運用している。
市では、ろう者と通訳者間の利用と、ろう者と通訳者、健聴者間の利用の二つの使い方を想定。後者は、通訳者が利用者の手話を映像で確認、健聴者に音声で伝えるもの。
市は、昨年10月3日から対象者向けに説明会を4回実施。スマートフォンなどの端末に搭載したアプリ「ライン」や「スカイプ」のビデオ通話を活用した使い方を計27人に紹介した。
以前、薬局で同サービスを利用したという市内在住の60代女性は「病気のため緊急で利用したが助かった。とても便利」と話す。
市には「顔を見て自分たちの言語で話せるのは安心」との声も寄せられているという。
利用は原則、平日の午前9時から午後5時まで。端末は利用者が所有するスマートフォンなどを使用するが、1台のみ貸し出し可能。利用は無料だが、通信費は利用者負担。サービス利用には事前に利用者登録が必要で、使用する端末を同課窓口まで持参する。市では同サービスと並行して手話通訳者などの派遣事業も行う。
十勝管内では音更、足寄、鹿追、芽室、陸別の各町で遠隔手話サービスを導入している。
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