防災フロート迅速派遣へ、日本海溝巨大地震を想定 室蘭開建が机上訓練、初動体制確認【室蘭】
室蘭開発建設部が室蘭港に係留している「広域防災フロート」を災害発生時に被災地域に派遣する机上訓練が8日、室蘭市入江町の室蘭開建であった。日本海溝巨大地震の発生を想定。関係者が被災地の宮古港への迅速な派遣へ向け、手続きなど初動体制を確認した。
防災フロートは長さ80メートル、幅24メートル、高さ4メートル。避難、物資輸送はもちろん、ヘリポートの利用、復旧支援用の車両の乗り入れが可能。訓練は国や道、室蘭市などの関係機関でつくる「広域防災フロート派遣協議会」(会長・小野尚二室蘭開建次長)が主催。委員11人を含む約20人が参加した。
訓練は7日に三陸・日高沖日本海溝を震源にマグニチュード9程度、東北地方太平洋側多数で最大震度6強の地震が発生。大津波警報が発令され、同太平洋側では津波が押し寄せて、甚大な被害が出た-と想定した。
委員らは、宮古市や室蘭開建管内の被災状況を確認。室蘭からの生活支援物資や燃料などの積み込み作業日程を決め、派遣は津波注意報の解除を見込み、12日正午に決めた。委員からは「津波による漂流物が多い。航行可能か」など質問も出た。小野次長は訓練を積むことで「関係機関の役割を確認することができる」と述べた。
2000年有珠山噴火を契機に整備された。11年の東日本大震災では被災地に緊急支援物資を運んだ後、被災地域の港に常駐し作業船係留施設として活躍した。
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