EV用モーター製造へ 来秋設備導入 25年にも量産開始 ダイナックス苫小牧工場
自動車部品製造業のダイナックス(本社千歳市、伊藤和弘社長)は来秋、苫小牧市柏原の苫小牧第6工場に電気自動車(EV)用インホイールモーター(IWM)の製造設備を導入する。自動車業界に電動化の波が押し寄せる中、2025年にもIWMの量産を始める考えで、「先行開発ライン」の位置付けで新設。伊藤社長は「第6工場を電動専用工場にしていく」と意気込んでいる。
19~21年に苫東地域に新設した第6工場(1階建て、約1万7000平方メートル)で約4億円を投じ、IWMの製造ラインを導入する。生産能力は月産1680台で、伊藤社長は「開発設計はほぼ終え、次にやるべきは加工技術。試作的に造り、技術を習得し、ビジネスにつなげる。25年には立ち上げたい」と意欲を見せる。
第6工場は将来、IWM生産で最大12ライン、月産2万台まで拡張が可能で、「約50億円の投資になる」と説明。IWMは車輪のホイール内に収納するEV小型化に欠かせない装置で、「ベンチャー企業を含めて10社ほど引き合いがある。EVだけでなく建設機械や農機具など『ここにモーターを使いたい』といった話もある」と手応えをつかんでいる。
同社は自動車のクラッチ板製造で世界一(トランスミッション台数ベース)を誇り、国内では苫小牧、千歳に製造拠点を構えている。約10年前から北大とIWMを共同開発し、19年から同社出資のベンチャー企業FOMM(フォム)で小型EVを生産するなど、EVの将来性を見込み、他社に先駆け研究を重ねてきた。
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