苫小牧 冬の幌内川、落ちたミミズが貴重な餌に 北大大学院生ら調査
苫小牧市高丘の北大苫小牧研究林内を流れる幌内川で、冬に大量のミミズが水中に落ち、水生生物の餌になっていることが、北大大学院博士後期課程3年の二村凌さん(27)が主導した調査で明らかになった。研究結果をまとめた論文は、米国の学術系出版社が8日に発行した専門誌「エコロジー&エボリューション」に掲載され、二村さんは「寒い中の調査で苦労した論文が認められてうれしい」と喜んでいる。
二村さんは昨年11月中旬、幌内川にミミズの死骸が目立つことが気になり、12月に3回、現地調査を実施した。初回の5日は、同2年の古澤千春さん(26)と同研究林学術研究員だった岡宮久規さん(31)=現ふじのくに地球環境史ミュージアム(静岡県)主任研究員=と一緒に、源流部から約5キロを下りながら水中のミミズを探した。約8時間に及んだ調査で計841匹のミミズを発見し、9割近くが死骸だった。
その後、100メートル間隔で発見数を分析すると、源流部から数百メートルにわたる川岸の土壌が露出した周辺で特に多いことが判明。論文では、初冬の気温低下で土壌内のミミズが驚き、移動する中で誤って川に落下した可能性に言及した。7、11日の調査では、アメマスやニジマスなどの川魚やカワゲラといった水生昆虫、プラナリア、ヨコエビなど多くの水生生物がミミズを食べていることが観察でき、水生生物の冬季の餌になっていることを論文に書き加えた。
二村さんは「冬は川の生き物の餌が少なくなる時期なので、ミミズは水生生物にとってごちそう。クリスマスプレゼントのようなものだったと思う」と説明する。裏を返せば、護岸整備で川岸がコンクリートで固められるとミミズが川に落ちることがなくなり、冬季の餌の減少につながる懸念があると指摘。「生態系への影響を考えるきっかけになってくれたら」と願っている。
関連記事
穂別で「つつじとアスパラの春まつり」 花とイベント 来場者楽しむ むかわ
ほべつ道民の森・つつじとアスパラの春まつり(同実行委員会主催)がゴールデンウイーク(GW)後半の3、4両日、むかわ町のほべつ道民の森で開かれた。町民を中心に多くの人が来場し、開花したツツジを観賞し...
新千歳で「開港100年記念展」 北海1号機が壁画に
2026年10月に開港100周年を迎える新千歳空港で6日まで、「開港100年記念アート事業作品巡回展」が国内線ターミナルビル3階の大空ミュージアムで開かれ、飛行機などをあしらった壁画が訪れた人の目...
自慢のしょうゆラーメン食べに来て! みうら商店 9日に町中華店オープン【..
新得町で食品製造・販売業を営む「みうら商店」が、9日に中華料理店をオープンする。腕を振るうのは道外のラーメン店で修業経験がある三浦貴宏社長(50)。長年、夢見てきた地元での飲食店開業を目前にし、...
2人利用で1人は無料 飲食など47施設で開始 ふたりぼっちパスポート【十..
飲食店や温泉施設などの指定施設を2人以上で利用すると、1人分が無料となる「ふたりぼっちパスポート」のサービス提供が1日に始まった。十勝管内47施設が対象。路線バス乗り放題チケット「ビジット・ト...
競馬場にグルメ集結 「うまちか」開幕 ステージも多彩【帯広】
十勝管内外のグルメを楽しむイベント「うまちか2024」(ばんえい十勝主催、十勝毎日新聞社共催)が4日、帯広市内の帯広競馬場で始まり、多くの来場客がステージを楽しみながら舌鼓を打った。6日まで。 ...
CATEGORY記事カテゴリー
MEDIA参加新聞社
ARCHIVE月別記事リスト
RANKINGアクセスランキング
- 週間アクセス
- 月間アクセス
-
1
室蘭、登別で出店盛ん スーパーや飲食、衣料品店続々【室蘭、登別】
2うらかわオバケ桜が満開に 26日は公開から1時間で150人来場【浦河】
3ライトアップ初日を楽しむ 函館公園と五稜郭公園で花見電飾【函館】
4イトーヨーカドー、最後のGW 家族向けイベント盛りだくさん【帯広】
5函館が舞台「名探偵コナン100万ドルの五稜星」公開始まる 関連イベントも盛り上がる【函館】
-
1
米粉100%使用シフォンケーキ開発 函館のカフェ【函館】
2函館が舞台「名探偵コナン100万ドルの五稜星」公開始まる 関連イベントも盛り上がる【函館】
3室蘭、登別で出店盛ん スーパーや飲食、衣料品店続々【室蘭、登別】
4丹頂市場 来月6日新装開店 カフェや炉端楽しんで【釧路市】
5ライトアップ初日を楽しむ 函館公園と五稜郭公園で花見電飾【函館】