兵庫のかばん製造会社が廃漁網活用しランドセル、厚岸の子供に寄贈【厚岸】
【厚岸】海の豊かさを守り次世代に引き継ごうと、日本財団の支援で設立したアライアンス・フォー・ザ・ブルー(=AFB、野村浩一代表理事)の協働企業で、兵庫県豊岡市のかばん製造会社の由利(由利昇三郎代表取締役)が16日、来春小学校に入学する町内の児童13人に、廃漁網をアップサイクルしたランドセルを寄贈した。廃漁網は、町奔渡5の山本漁網(山本教司社長)が回収したもの。厚岸の基幹産業を支える漁網が全国の再生技術で生まれ変わり、地域の新入学児童の学校生活での〝相棒〟となる。
ランドセルは同社が今年11月、スクールリュック「UMI」の名で商品化。約1・2㌔と軽量で15㍑の大容量、高い強度と撥水性に優れている。タブレット端末や水筒などを入れるポケットを備え、荷物の量に応じ拡張することもできる。
同社は地域ブランド「豊岡鞄(かばん)」を手掛ける兵庫県鞄工業組合に加盟。2020年から、廃漁網を活用したランドセルの製品化を検討してきた。廃漁網は、リファインバース(東京)が再生プラスチック化し、モリトアパレル(東京)が「SDオーシャン」の名で生地化に成功。由利は14回もの試作を重ね、漁網再生率65%、再利用素材85%のランドセルを完成させた。
町役場で行われた寄贈式は、野村代表理事と由利代表取締役、永井宜積同社常務取締役、モリトアパレルの大内良洋マテリアルデザイン事業部長が出席。由利代表取締役が石塚徹副町長にランドセルを手渡した。会場では関貫久仁郎豊岡市長からのビデオメッセージも上映された。由利代表取締役は「SDGsの考えが根付くよう、子供から大人まで、海洋プラステックなどの環境問題に向き合うきっかけにしたい」と述べた。石塚副町長は「来年は全国豊かな海づくり大会開催が控えている。漁業や海洋環境について考える機会にしたい」と話していた。
UMIは、黒や紺、ピンクなど6色展開で一般購入可。1個4万9500円。
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