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函館新聞

緊急時に役立てて 全盲の吉田さん考案「風船式白杖」函館盲学校へ寄贈【函館】

吉田さん(右)から寄贈を受けた風船式の白杖を手にする池田教諭。吉田さんが左手に持つのがサインバトン。

 千葉県匝瑳(そうさ)市在住の鍼灸(しんきゅう)師、吉田勇さん(67)は13日、函館盲学校(野戸谷睦校長)を訪れ、自身が考案した視覚障害者のための風船式の簡易白杖(はくじょう)などを寄贈した。自身も全盲の吉田さんは、「緊急時の備えとしてぜひ役立てて」と呼びかけた。

 白杖を使用する中で考案し、ポケットティッシュのサイズに折りたたんだ状態で持ち運ぶことができるようにした。使用する時はストローで息を吹き込み、最長140センチまで伸ばすことが可能。太さは5センチ、重さは約30グラムのポリエチレン製で、杖の先端を保護するカバーには、石突きの代わりにキャップが備わっている。

 吉田さんは「白杖を使用する友人らにアンケートをしたところ、日々の生活の中で白杖が何かに引っかかるなどしてしまい、折れて困ったという話を聞いた」とし、「白杖は私たちにとってとても大事な道具であるにも関わらず、スペアを持ち歩く人はほとんどいない」と話す。そこで数年前、緊急時などを想定し、持ち運びに便利な白杖を考案、製品化したという。

 このほかにも、視覚障害者であることを周囲に知らせる、長さ60センチになる風船式のサインバトンも用意した。「視覚障害者を後ろから見ると、健常者と見分けがつかないことが多い」と指摘。そこでサインバトンをリュックなどにぶら下げておくことで、周囲に目が不自由なことを伝えることができるという。「千葉県から函館まで北海道新幹線やはこだてライナーを利用してきたが、このサインバトンのおかげで、多くの人に目が不自由であることを理解してもらえたようだ」と話す。

 寄贈式では、吉田さんから同校教諭で視覚障害のある池田サラジェーンさんへ風船式の白杖を、同校へサインバトン4つなどを寄贈。池田教諭は「私自身も1度白杖が折れた経験がありながら、常日頃、白杖のスペアを持ち歩くことはなかったので、とてもありがたい」と礼を述べた。吉田さんは「今後も機会があれば、全国の特別支援学校や盲学校などへ、恩返しの意味も込めて風船式白杖の寄贈を続けていきたい」と話していた。

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