来訪者３万人達成を喜ぶスタッフ

　キウシト湿原（登別市若山町）の来訪者がこのほど、３万人に達成した。キウシト湿原の保全と管理に当たっている「ＮＰＯ法人キウシト湿原・登別」の鳴海麻衣事務局長は「地域の人たちに守り育てていただき、節目を迎えられた」と感謝している。今年の開設はあす２０日まで。

　住宅街に貴重な自然が残るキウシト湿原は、２０１５年に開設。今年も市内小学校の校外学習や出前講座のほか、野鳥の観察、勉強会、ホタル観察会などで多くの人が訪れた。登別青嶺高校の生徒との外来植物駆除や湿地植物の定着など１４回のイベントも開かれ、１０月に来訪者が３万人に達した。

　イベント参加者からは「自分が住むまちに、登別の原風景が残っているのを初めて知った」。オオハンゴンソウ駆除に参加した高校生は「また一緒に作業をして、この自然を守っていきたい」の声があったという。

　同法人は「小さな行動が大きな成果に繋（つな）がる　キウシト１００年プロジェクト」を掲げ、長引く新型コロナウイルス禍でもイベントを減らさず、参加人数を限定するなどして継続してきた。来年度は感染状況を判断しながら、イベント回数を増やす計画。

　鳴海事務局長は「地域の皆さまのおかげで３万人を迎えられ、感謝が尽きない。これからも登別の原風景を守り、来年度も観察会やイベントを行っていくので、ぜひ足を運んでください」と話している。

　２１日から冬期閉鎖に入り、来年度は４月１５日の開設を予定している。開設に先駆け４月１日には、ザゼンソウ観察会を予定している。