〝観光の量〟より〝観光の質〟【平取】
【平取】町主催のシシリムカ文化大学第4回講座「文化・観光・地域の振興とミュージアム(博物館)再考」が8日、町中央公民館で会場33人、オンライン27人、関係者10人計70人が参加して行われた。
講師は、文化人類学や博物館学、観光文明学を専門分野とする北海道博物館の石森秀三館長。主な著書は「観光の20世紀」、「博物館概論」など。
石森館長は、「観光革命」以後の地域観光の未来―ミュージアムに未来はあるか?―をテーマに講演。「観光は、壊れやすくもろい産業。コロナ禍の長期化や深刻化で、世界的に観光が停滞している。団体旅行から個人や家族、小グループの旅行へと変化し、21世紀は“自律的観光”の時代。“観光の量”より“観光の質”が重視される」と話した。
また、「もう一つの日本」としての平取の磁力では、19世紀の大英帝国の旅行家、イザベラ・バード(1831~1904)と平取に触れ、「バードはなぜ日本における最初の奥地紀行の目的地として平取を選んだのか?」の疑問について、「当時のヨーロッパの学者の間では『日本の北方にかなり高い文化を持った民族がいるが、どうにも簡単に日本人と言い切れないものがある。ヨーロッパからシベリアを移動してそこに行ったのではないか?』と強い関心があった」「キリスト教宣教の可能性を探るという意図もあったのでは。英国人で聖公会宣教師のジョン・バチェラー(1854~1944)、英国人医師・人類学者のニール・ゴードン・マンロー(1863~1942)も平取に引き寄せられている」と紹介した。
アイヌ伝統文化を生かす地域づくりでは、①二風谷コタン(文教・観光エリア)②重要文化的景観③沙流川IWOR構想④イオル再生整備推進事業⑤21世紀・アイヌ文化伝承の森事業⑥「ノカピライウォロ・ビジターセンター」への期待⑦平取アイヌ文化振興公社への期待―などを挙げ、「文化資本としての博物館を活用し、地域でのマネージメントを行い、未来へ向け国民生活の質的向上の歩みを進めることが大切なのではないか」と締めくくった。
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