【１回戦、中標津―ラ・サール】前半２４分に相手のタックルをものともせずに突破してハットトリックを達成するラ・サールの綿貫

　【北斗】ラグビーの第３０回北海道高校新人大会兼第２４回全国高校選抜大会北海道予選会（道ラグビーフットボール協会、道高体連主催）が２日、北斗市運動公園フットボール場で開幕した。１回戦３試合を行い、ラ・サールが５８―１２で中標津に快勝。函館合同は０―１０６で札幌山の手に敗れた。第２日の３日は、同フットボール場で準決勝２試合と１回戦で敗退したチームによる交流戦を行う。

■綿貫、手束がハット

　ラ・サールは前半に優位に試合を進めて７トライと圧倒した。大幅にメンバーを代えた後半は失点を許すも３トライでリードを広げて準決勝に駒を進めた。宇佐見純平監督は「相手の能力の高い選手に差し込まれたが、しっかりと勝てて良かった。登録メンバー全員で補いながら良い状態で勝ち上がっていきたい」と振り返った。中西海斗主将（２年）は「ディフェンスをしっかりやろうと臨んだが、できていないところが多かった。花園予選後に自分が立てた目標は全員ラグビー。誰が出ても同じパフォーマンスを出せるようにしたい」と反省点を挙げ、次戦を見据える。

　初先発したＨＯ（フッカー）の綿貫慶貴（２年）が前半にハットトリックと起用に応えた。前半５分の先制トライでチームを勢いづけ、１５分にもペナルティからのチャンスをものにして２トライ目。２４分も力強く突破してインゴールに飛び込んだ。綿貫は「良いポジションに入れたことがトライにつながった。ハットトリックを自信にしたい」と謙そんしながら語った。宇佐見監督は「ポジショニングと読みが良い選手。練習でも動きが良かったので結果につながった」と目を細めた。

　左ＷＴＢ（ウイング）の手束太峻（１年）も前半に２トライ、後半に１トライでハットトリックを達成した。「動きが柔らかく、緩急がつけられる。試合に出るたびに成長している」と宇佐見監督。持ち前の俊足で縦横無尽に駆け抜けた手束は「皆がパスを回してくれたおかげ。ウイングとしての役割を果たせた。自身としてはいいスタートが切れたが、チームとしてはタックルができていなかった。しっかりとタックルにいきたい」と言葉を弾ませながらも次戦へ気を引き締めた。

■王者相手に奮闘　函館合同

　函大有斗、市函、大野農、南茅部、函工、函高専の６校の函館合同は１回戦で王者・札幌山の手に挑戦。１００点ゲームと大敗を喫するも、相手の強靭な体に対して果敢にタックルを仕掛けるなど最後まで諦めずに戦い抜いた。

　メンバー全員が揃っての練習はわずか１回のみと、連係面で不安を抱えながらも各校での練習の成果を発揮しようと奮闘した。前半に相手のラインアウトミスからボールを奪いチャンスを作ったほか、後半もペナルティを生かして敵陣深くに攻め込んだ。北町将太郎監督（函大有斗）は「練習してきたことをやろうとする姿勢が見えた試合。ラ・サールとの試合に比べてディフェンスの質が上がった」と確かな成長を感じ取った。

　６校の選手たちをまとめた河邉琢斗主将（市函２年）は「ラ・サール戦から失点が少なく、タックルではフォローを意識できていた。攻撃もあと少しだったので残念。道内最強のチームと戦い、現状のレベルを知ることができた。冬は体作りと体力を向上させ、守備の強化、攻撃もトライを取り切る力をつけたい」と敗戦を糧に冬場でのレベルアップを誓った。