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函館新聞

9月スルメイカ取扱量128トン 令和最多【函館】

 函館市農林水産部がまとめた市水産物地方卸売市場での9月の生鮮スルメイカ取扱量は、前年比79トン増の128トンとなった。低水準の範囲内に変わりはないが、令和(2019年)に入って9月単月で最多。

 同部によると、9月単月の取扱量は18年以降、4年連続で過去最低を更新。21年は49トンまで落ち込んでいたが、5年ぶりに前年を上回った。128トンの内訳は上旬55トン、中旬26トン、下旬47トンで上旬が比較的好調に推移した。1キロあたりの平均単価は同129円高い963円で、統計の残る05年以降で最高。取扱金額は同8197万円多い1億2282万円。出漁日数は昨年より1日少ない23日だった。

 今季の漁期(6~9月)の合計では、取扱量352トン、単価931円で、金額は3億2791万円。19年以降は2億円台で伸び悩んでいたが、22年は3億円台に回復した。9月の漁獲について、同部は「令和になって一番の数量だったので、今後も続いてほしい」とする。

 道総研函館水試の三原栄次主任主査は「7~8月に東北地方太平洋沿岸(岩手県~青森県)で前年を大きく上回る漁獲があり、この群れが9月に北上し、函館周辺の太平洋側の漁獲増をもたらした可能性がある」と指摘する一方、「9月以降に函館周辺~道南太平洋に来遊するスルメイカは冬生まれ群が主体だが、冬生まれ群の資源量は少ないと推定されており、10月以降の漁獲量は総じて前年並みの低い水準で推移するのではないか」と話す。

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