釧路市教育委員会は１日、施設一体型の義務教育学校設置や小学校再編に向けた「釧路市がめざす学校のすがた基本計画」の素案を公表した。６月に示した同計画たたき台の通り、小中１４校の統合による６校の義務教育学校設置は進めるが、釧路小と城山小、鳥取小と新陽小の統合、湖畔小、清明小、武佐小の３校を２校にする分離統合はいずれも取りやめ、今年度内に策定する計画案に盛り込まないこととした。

　同計画たたき台には、中１ギャップや学力の伸び悩み、学習意欲低下など教育課題の解消や緩和に有効な方策として、中学校区を基盤とした学区の整理を行い、６校の義務教育学校設置と、それに向けた小学校４校が２校となる統合、３校を２校とする分離統合などの案が盛り込まれていた。

　市教委では、７月４日から２８日にかけて市内１４カ所で地域懇談会を、同２９日に市ＰＴＡ連合会との教育懇談会をそれぞれ実施。これらの場で特に、小学校の統合は児童たちの心理面や通学の負担などを考え反対する意見が多かった。また、今回対象とならない小中学校は当面の間、義務教育学校設置が難しいことから、従来通りの学校として継続し、小中ジョイントプロジェクトをはじめとする小中連携教育を推進していくこととした。

　今後、市教委は市内６カ所で素案の内容について意見交換する教育懇談会を予定。１０月４日（午後６時３０分）のコアかがやきを皮切りに、同５日に音別町コミュニティセンター（同）、同１２日に阿寒町公民館（同）、同１６日にコア大空（午後２時）、同２２日に市交流プラザさいわい（同）、同３０日に鳥取ドーム（同）でそれぞれ行う。

　市教委では「小中一貫教育を推進する施設一体型の義務教育学校設置を進める基本方針に変更はない。素案はたたき台からある程度の形として進めたもので、９月定例市議会や教育懇談会などでの議員や市民からの意見を踏まえて計画案を策定したい」と話している。