釧路市がこのほど集計した２０２１年度のがん検診受診率は、２年目のコロナ禍の中で、胃、肺、大腸、乳、子宮頸（けい）がんの全項目で前年度を上回った。２０年度の受診率は混乱の社会情勢を背景に全体的に落ち込んだが、昨年度は新型コロナウイルス感染防止対策を徹底する中で、受診率も回復してきたとみられている。

　市はがん検診について「おおよそのがんは初期段階では自覚症状がなく、早期発見には継続的に受診することが重要」と強調している。釧路保健所の年報によると、悪性新生物は死因の第１位で、死亡数は１５年度実績で同保健所管内９７１人うち、釧路市が７０４人となっている。

　市の昨年度受診率は胃がん９・６％（前年度８・７％）、肺がん１０・１％（同９・０％）、大腸がん１３・２％（同１１・５％）、乳がん３１・３％（同３０・５％）、子宮頸がん３４・１％（同３２・５％）。担当の市健康推進課は「回復してきた」と評価している。

　また、がん検診と特定健診、後期高齢者医療の健康診査を同時に受診できる「くしろ市民健診」が２０年度からスタートし、同年度計８回、昨年度も計７回実施されている。昨年度の実績は実数で５９３人、延べで１０５０人が受診。「夫婦で会場に訪れたり、若者健診も行っているので、ファミリーで受診するケースもみられる」（市健康推進課）とし、受診率の一層の向上に期待している。

　くしろ市民健診は今年度も８回の開催を予定し、予約受付中。すでに終了した７月２７日の第１回（会場・コアかがやき）は実数で９１人、延べ１７５人が受診した。

　２回目以降の日程、会場は次の通り。　▽２８日午前９時～１１時（市役所防災庁舎）▽９月１１日同（同）▽１０月７日同（サンライフ釧路）▽同月１６日同（市役所防災庁舎）▽１１月２２日同（コア鳥取）▽１２月２６日同（市役所防災庁舎）▽来年１月１８日同（同）