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函館新聞

久生十蘭ファンを拡大しよう 函教大生がプロジェクト【函館】

函教大生が図書館内に開設した十蘭の特設コーナー

 道教育大函館校の2年生グループが、函館出身の作家、久生十蘭(ひさお・じゅうらん、1902―57年)の生誕120周年にちなみ、ファン拡大を目指す活動に取り組んでいる。25日までは函館市中央図書館で十蘭の特設コーナーを開設し「ぜひ読んで」と呼び掛けている。

 課題解決型の必修科目、地域プロジェクトの一環で、小林真二教授(日本近現代文学)が担当する「プロジェクトJ」を履修する5人で活動する。

 十蘭は推理小説や歴史、現代小説、ユーモア小説など多彩に書き分ける技巧派の作家で「小説の魔術師」の異名を持つ。「鈴木主水」で52年に直木賞を受賞。55年の世界短編コンクールで「母子像」が主席に選ばれた。

 特設コーナーでは、図書館所蔵から短編を中心に約20冊を展示。特に学生が推薦する「黄泉から」「ハムレット」ついては寸評も加えている。図書館の机やテーブルにも卓上用のポップを置き、来館者が十蘭に興味を持つよう仕掛けた。

 ミステリー小説が好きという小田玲音さん(20)は「十蘭の作品は一読しただけでは十分理解できなくても2回、3回と読むと面白さが分かり、奥の深さを感じる。今回のプロジェクトを通して十蘭の魅力を伝えたい」と話す。

 同館のほか「Cafe TUTU」(末広町)や「抹茶工房」(若松町)でも学生企画の特設コーナーを開設。12月中旬には函館蔦屋書店(石川町)でもトークイベントを計画している。活動の詳細は2次元コードで。

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