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函館新聞

中国語ガイド育成へ 台湾からのインバウンド需要見据え【函館】

垣ノ島遺跡で発掘体験を行い道具や動作を学ぶ参加者(昨年10月、提供)

 渡島総合振興局は今年度、台湾からのインバウンド(訪日外国人)需要回復に向け、中国語(繁体字)で縄文遺跡群をガイドできる人材の育成に乗り出す。函館と台湾を結ぶ直行便は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う旅行需要の低下で運休しているが、アフターコロナを見据え、受け入れ環境の充実を図る。今秋にも実地研修を開き、参加者に中国語の基礎的なスキルを学んでもらう考え。

 振興局の独自事業「訪日外国人向け環境整備・集客プロモーション事業」(2020~24年度)の一環で、今年度の予算額は225万円。函館―台北間は、エバー航空とタイガーエア台湾の2社が直行便を運航していたが、コロナ禍で再開のめどは立っていない。

 振興局は20、21年度とも対象言語を英語とし、インバウンドに対応したガイド人材育成研修を函館市で開催。20年度は座学(市南茅部支所)と実地(市縄文文化交流センター)があり、2日間で計26人が参加した。

 21年度は垣ノ島遺跡で2日間、計16人が実践的なガイド英語を習得。20、21年度とも英語講師・通訳案内士の馬上千恵さん(札幌)が講師を務めた。

 今年度は、これまでの英語から中国語(繁体字)へシフト。20人程度を募集し、縄文関連施設で実地研修を行う。講師や期間、場所について今後検討するほか、参加者の語学レベルは「初心者でもいいのか、ある程度話せる人がいいのか、講師と相談したい」(商工労働観光課)とする。

 継続事業では、縄文関連施設や体験型観光施設へのアドバイザー派遣、総合観光イベント「ツーリズムEXPOジャパン2022」(9月・東京)と同時開催される「ビジットジャパントラベル&マイスマート2022」への出展、地域公共交通の利用促進に向けた講習会の開催、地域公共交通のPRの実施を盛り込んだ。

 渡島管内での台湾からの宿泊人数を見ると、2019年度が23万2621人(外国人計54万6408人)、20年度が110人(同2431人)となっている。

 振興局食・観光・海外戦略推進室の松本伸室長は「インバウンドが回復してから準備しても遅いので、今のうちに受け入れ態勢を強化する。来年度以降は新しい言語を習得するのか、既存言語の理解度を深めるのか、入り込み状況を見ながら判断したい」としている。

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