二海サーモン水揚げ11・8トン 魚体サイズ良好 熊石漁港【八雲】
【八雲】町がひやま漁協熊石支所サーモン養殖部会(高橋聖治部会長)と連携して取り組むトラウトサーモン(ニジマス)の海面試験養殖「北海道二海サーモンプロジェクト」で、12日に熊石漁港で水揚げがあった。前年の2・5倍超の11・8トン(速報値)を水揚げし、魚体重が出荷サイズの3キロを超え良好。新たな水産資源づくりに期待が膨らんでいる。
試験養殖は2019年12月に始め、今年で3年目。日本海側の熊石地区は主力魚種のスルメイカやスケトウダラ、秋サケの漁獲不振が続いており、漁業経営の安定と地域の活性化を図るため、回転ずしなどのネタとして人気のトラウトサーモンを養殖し、北海道で初となる道産サーモンの事業化を目指す。熊石漁港では、20年6月に2・5トン、21年6月に4・2トンと順調に水揚げ量を伸ばしている。
今回、昨年11月に青森県の業者から導入した幼魚4000匹を直径20メートルの円形いけす1基に入れ、給餌してきた。漁業者が午前4時すぎから準備に取り掛かり、大きく育ったサーモンを電気たもを使い、いけすからすくい上げた。町サーモン推進室の田村敏哉室長は「大部分が目標の3キロを超え、4キロ、5キロのものもあり、魚体サイズは十分。脂の乗りもいいので、ぜひ味わってほしい」と話している。
この日は、熊石地区の住民に270匹を販売したほか、イオン北海道は13~15日に実施する「道産デー」で、12日に水揚げした「北海道二海サーモン」を生で販売する。函館を含む道内のイオンやマックスバリュの店舗で購入できる。
噴火湾側は、落部漁協青年部と連携し、落部漁港東野地区でサーモンの試験養殖を進めている。八雲町はサーモン海面養殖の道内トップランナーで、来年から本格出荷、2024年以降、種苗出荷のスケジュールを描いている。
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