函館市はこのほど、男女共同参画に関する市民・事業者向け意識調査の結果をまとめた。男女の地位についての問いでは「平等になっている」との回答が５割を超えたのは「学校教育」のみで、「社会全体」では男性優遇が約７割に達するなど、格差を感じている人が多い実態が浮かび上がった。市市民・男女共同参画課は「男女の平等や共同参画について理解を深めてもらえるよう今後も継続して取り組む」としている。

　調査は５年に１度行われ、今回は第３次市男女共同参画基本計画（２０１８～２７年）の中間年見直しのための基礎資料とする。住民基本台帳に基づき無作為抽出した１８歳以上の男女各１０００人を対象に昨年８月に郵送またはインターネットで回答を得た。回答率は７９４件で、回収率は３９・７％だった。

　主な調査項目は男女共同参画全般、就業、ワーク・ライフ・バランス、人権、ハラスメント、性的少数者について。事業者向けの調査では職員の配置、育児・介護に関する制度、ハラスメントについて質問した。

　男女の平等についての問いで、男性優遇（どちらかといえばも含む）が７０％近くとなった「社会全体」では、平等になっていると答えたのは１０・７％で前回より０・４ポイント減少した。「政治の場」「社会通念・慣習・しきたりなど」も男性が優遇されていると感じる人の割合が多かった。

　一方で「男は仕事、女は家庭」という性別役割分業意識については、男女全体で肯定意見が前回より１０ポイント以上低い１０・４％となり、否定的意見は４７％（前回比１０・８ポイント増）と高く、固定的な意見が薄れてきたとみる。

　女性が仕事を持つことについては、「結婚や出産にこだわらず、仕事を続けた方がよいと思う」が５３・８％（同１３・２ポイント増）となった。

　また、家庭内暴力（ＤＶ）などを直接経験したことがある割合は、女性は１５・２％と７人に１人に被害経験があることが分かった。