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十勝毎日新聞

杉野菓子店 93年に幕 さらば「ねこの座布団」【幕別】

 創業93年の老舗、杉野菓子店(幕別町本町122)が31日に閉店する。店を切り盛りしてきた杉野洋子代表(89)が昨年12月に病気で入院。現場復帰が難しいことに加え、店の後継ぎがいないことから家族が決断した。また一つ、地域に愛された商店が姿を消す。

今月末まで店を切り盛りするパート従業員の(左から)田中美紀子さん、大串咲子さん

 同店は1929(昭和4)年、洋子さんの父・泰七さん(故人)が和菓子店として現店舗の場所で創業。98年に改装し、洋菓子や近隣の高校などに卸すパン製造も手掛けるようになり事業の幅を広げた。

 洋子さんの夫・國男さんが約50年にわたって代表として店を発展させてきたが、2010年に死去。以降、洋子さんがパート従業員とともに店の味を守っていた。

 洋子さんが調理場で菓子作りを指揮していたこともあり、パートのみで今後店を続けるのが難しいと家族が判断、1月に閉店を決めた。同店では毎年、町内の学校の卒業式に供する紅白まんじゅうを作っていることから、閉店時期を3月末まで延ばした。

 同店の商品の一つ「幕別ロマン」は、1984年に全国菓子博覧会で名誉大賞に選出。クレープ生地でクリームなどを包んだ「ねこの座布団」は、現在も同店の人気商品として愛されている。ユリ根やジャガイモなど地元食材を使った商品化にも取り組んできた。

 20年以上にわたって同店で働いた元パート従業員の70代女性(町在住)は「とにかく毎日忙しかったことを思い出す。店の休みは元旦だけだったのでは。息の合った調理場で楽しく働かせてもらった」と振り返った。

 洋子さんの長男・光則さん(57)=栃木県在住=は「自分は菓子とは違った道を選んだので店を継ぐことができないのが本当に残念」と語る。幼少期を同店の2階で暮らし、菓子作りが常に身近にあった。

 光則さんは「最後まで働いてくれているスタッフの力を借りて(31日まで)営業したい。地域に支えられてここまで来られた。これまでのご愛顧に感謝したい」とする一方、「店の味を継いでくれる人がいないか、今後も探し続けたい」とも話している。

地域に愛された杉野菓子店

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