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函館新聞

鼻呼吸トレーニングマスク「レブナ」脚光 コロナ禍でも心肺機能向上【函館】

鼻呼吸トレーニング用マスク「レブナレボリューション」を紹介する笠井社長(左)と小田さん

 函館市桔梗町416のパテントワークス(笠井文雄社長)が産官学で研究開発、2007年に商品化された鼻呼吸トレーニング用マスク「ReBNA(レブナ)」が再び注目されている。肺機能を重視するスポーツ分野ではこれまでサッカーや格闘技、競輪のプロ選手らが利用していたが、新型コロナウイルス禍による練習不足の中で、持久力・スタミナをつけようと大学の運動部も導入。函館発の道具があらためて鼻呼吸の重要性を広く知らせている。

 レブナは、気密性の高いマスクの中に分離した2つの吸呼気室があり、鼻からは吸気、口からは呼気のみできる構造。笠井社長(56)が子どものころ、マラソン練習で学んだリズムをつけた呼吸法や、手術後に呼吸トレーニングをする人を見て呼吸の大切さや、効率的で個性的な運動具が必要と感じ、03年に研究を開始した。

 05年に地域政策総合補助金を受け、東海大、函館高専、北海道立工業技術センター、道立工業試験場、日本パーソナルトレーナーズ協会の技術支援を受けた産学官の連携で開発がスタート。06年に道体育協会(現道スポーツ協会)の実験協力を得て装着時のトレーニング効果を実証し、07年に商品化。08年に道技術・新製品開発賞奨励賞を受賞。09年に特許取得。19年に現在の「エボリューション」タイプを販売開始した。

 記者も装着したが、始めは呼吸が難しかった。普段は無意識に口呼吸をしているからで、慣れるとスムーズになり、10分ぐらいの装着だが心肺機能の向上を感じ、頭もリラックスできたようだった。

 ラ・サール高ラグビー部などでトレーニング指導する合同会社パワークリエイター代表の小田千尋さん(49)は「鼻呼吸による有酸素運動は、ウオームアップ、心肺機能の向上、筋持久力の強化、脂肪燃焼、クールダウンといった効果が期待される。スポーツ選手にとってスタミナが急に落ちなくなり、例えば、試合終了ラスト5分にもうひとふんばりができるようになる」と説く。

 また、コロナ禍のため部活動など集団での練習や、個人でも自分を追い込む体力トレーニングが難しいことを挙げ「春になったり、コロナが収束したりして本格的な練習が始まってもスタミナがなく、レベルの高い練習についていけない恐れがある」(小田さん)とし、「レブナは装着するだけで鼻呼吸を簡単に行え、体力アップにつなげることができる」と話す。笠井社長は「効果的に心肺機能のトレーニングができる。一般的なマスク着用での運動時に事故につながることもあると聞き及んでいる。安全性の視点からも、国内外の多くのアスリートに利用していただいている」と話す。

 大学でレブナの導入を決めたのは、小田さんがトレーニングを指導する札幌学院大女子バスケットボール部。松橋修平監督は「選手のスタミナがあってこそ技術アップ、さまざまな戦術を考えることができる」と話す。同部は創部7年目ながら4年連続で全日本大学選手権に出場している。道内の大会では1日2試合することもあり、コロナ禍による練習制限は厳しい状況で「効率の良い練習が求められる中、他のチームがやっていない新しいことに取り組みたい」と導入の経緯を話す。

 4月からの新チームとなる選手にはチームロゴの入ったレブナを日ごろから装着してもらい呼吸法を馴染ませ、全体練習では実戦に合わせたトレーニングが早くできると見込む。「(マスク装着で)呼吸に負荷がかかる分、外せば試合の最後まで頑張れるようになる。けがをせず丈夫な体を作るためにも筋力と心肺機能をともに鍛える」とし、5月に始まる道春季リーグへ意気込む。

 小田さんは「チームとして導入することで新たな刺激となって連帯感も高まり、全体のレベルアップにつながってくれれば」と願う。笠井社長は「当社として今後も学生スポーツの発展に注力していきたい。函館発信の道具が北海道のスポーツを応援し、地域経済の活性につながれば」と期待する。

 レブナレボリューションは1個1万3750円(税込み)。問い合わせは小田さんへメール(oda@powercreator.main.jp)で。

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